ヒイロとリリーナが結婚してから半年。
ヒイロとリリーナの新婚生活は甘くも穏やかに過ぎていた。
そう。
ヒイロとリリーナは夜もただ一緒に寝るだけだった。
それ故に、リリーナは直接かつ端的に、ヒイロが抱かない理由を問い質した。
「ヒイロは不能なのですか?」
そうリリーナから問われても、ヒイロは無言で聞き流そうとした。
そして、それを予想していたリリーナはヒイロに壁ドンをしながら答えを強要した。
「答えはイエスかノーしか受け付けません!」
「……俺はヒイロ・ユイの名を捨てたと言っただろう?」
「ですから、ヒイロは不能なのかどうかをイエスかノーで答えてください!」
というリリーナの直接かつ強気な問いに対し、ヒイロは何も答えなかった。
だが、まっすぐな視線に含まれたリリーナの不安を察したヒイロは呟く様に応えた。
「……おまえ以外を抱きたいと思った事は無いから不能かもしれないな」
そう答えられたリリーナは、ヒイロの率直な吐露に戸惑った。
そして、リリーナの勢いを止められたと判断したヒイロはすぐに囲いから抜け出した。
「答えたのだから、早く眠れ。明日は早朝から一緒に出掛けると言ったのはおまえだ」
「……では、どうしてですか、ヒイロ?」
とヒイロに問い返すリリーナには、先程までの強い意志を感じさせなかった。
否、ただリリーナはヒイロの真意が更にわからなくなった為、ただ戸惑っていた。
また、その様な戸惑いも察したヒイロは、ただリリーナに確認という名の問い掛けをした。
「……怖くはないか?」
「?」
「俺はおまえを傷つけるのが怖い」
そうヒイロが正直な思いを吐露すると、リリーナは強い意志を込めた視線を返した。
そして、その様なリリーナからの否定を含んだ強い視線に対し、ヒイロはただ驚いた。
また、その様なヒイロの反応を予測し、否定もしたいリリーナは強気に問い返した。
「私はヒイロを選びました。そして、ヒイロも私を選んでくれた。それだけで充分ではありませんか?」
「……明日、一緒に出掛けられなくてもいいのか?」
「ヒイロも出掛けられないかもしれませんよ? 私の想いはヒイロより強くて重いですから」
そう応えながら強気に微笑むリリーナに対し、ヒイロも強気な口調で誘惑に応えた。
「……それは俺のセリフだ」
「では、勝負、ですわね?」
という強気なリリーナに対し、ヒイロは強引でも優しく抱きしめてからキスをした。
今年も遅くなりましたが、サイト開設記念小説の更新を開始しました!
そして、ふろーずんの最終話後を捏造した所為か、甘い仕上がりかと(当サイト比)
ただ、壁ドンをする新妻はアリかな?とも思いますが、リリーナ嬢ならばアリですよね?
また、今年もネタは早目に出来たのですが……今月も家庭内騒動を含むトラブルに対応するだけでも食事や睡眠をとる体力まで無くなる事態となり、小説を書く時間も出来ない日々が続きまして(遠い目)
なんとかこのSSは前日に小説へと仕上げられましたが……後日にごっそり校正等をしていても見逃して頂ければ、と。
あと、明日はアルムディア(ファンタ)となる予定です。