「……あんたは間違っている」
そう斉藤から告げられた千鶴はその言葉の意図と想いに気付けなかった。
否。新選組と袂を分かつ事を選んだ斉藤と同じ選択をした事だと千鶴は気付かなかった。
そして、その様な千鶴にもわかるように、斉藤は間違いとこれからすべき行動も告げた。
「今からでも土方さんの後を追って、共に行動すべきだ」
という斉藤の忠告、否、想いに気付いた千鶴はまっすぐな視線と共に答えた。
「間違っていません」
「何?」
「私は斉藤さんと共に居る為に選んだ事が間違いだとは思えません」
そう斉藤に対し、強くも穏やかな口調で、千鶴は深い想いと覚悟を言葉にした。
そして、その様な千鶴の強さと深い覚悟を再確認させられた斉藤はただ驚いた。
また、その様な斉藤の心情を想像しきれない千鶴はただ自身の想いを告げた。
「もし、斉藤さんの傍に居られないのならば、今すぐに私を斬ってください」
という千鶴の覚悟を聞かされた斉藤はただ沈黙した。
否、千鶴の想いと覚悟を再確認したが故に、斉藤も静かに覚悟を決めた。
そう。どのような困難が有ろうとも、斉藤も千鶴と共にある未来を選ぶ事を。
そして、その様な斉藤の覚悟を察した千鶴はただ自身の想いを言葉にし続けた。
「斉藤さん、私は私の意志で傍に居る事を選んだんです。だから、間違いではありませんし、斉藤さんの為だけではないんです」
「……そうだな、おまえではなく、俺が間違っていたんだな。すまない、千鶴」
そう答えた斉藤は、そっと千鶴の身体を抱き寄せた。
また、千鶴も斉藤に全てを委ねる意思を伝える様に身を任せた。
「いいえ、私を想ってくださった気持ちは嬉しかったです」
と千鶴から告げられた斉藤は、昂る想いを伝えようとするように互いの唇を重ねた。
その様な斉藤の唐突なくちづけに対し、千鶴は少しだけ戸惑った。
だが、すぐに千鶴は斉藤の想いを受け入れる様に抱きしめ返した。
……ネタ段階とは方向性も糖度も変わり過ぎた甘いSSとなりました(当サークル比)
何故なのかはわかりませんが、当サイトでは珍しい甘さも楽しんで頂ければ、と。
明日は平助&千鶴でのSSL設定を捏造した幼馴染ネタになるので甘くはないかと。
というか、友愛前提の幼馴染ネタではないかもしれません(遠い目)