10抱きしめて感じる、生きている音

ガンダムWの続編『エンドレス・ワルツ』と新作小説『フローズン・ティアドロップ』のネタバレが多く含まれています。

 

 

 

 

ヒイロと互いの『おもい』と『選択』を再確認したリリーナは微笑みながら倒れた。

正確に言えば、完治しきっていないリリーナの身体に限界が訪れた。

それを抱きしめる事で支えるヒイロに対し、リリーナは再び微笑んだ。

その笑みに対し、ヒイロはきつい視線と無言の警告をリリーナに向けた。

しかし、リリーナはベッドに横たわらされても、ヒイロに対して微笑み続けた。

「ヒイロに介抱される日が来るなんて思わなかったわ。出逢った頃から、ヒイロは危険を危険とも思わず、自ら傷を負ってばかりだったから」

「……」

「でも、だから倒れるヒイロを抱きしめられた時、私はとても嬉しかったのです」

そうリリーナに告げられたヒイロは、ただ驚きから目を見開いた。

その様なヒイロを予想していたリリーナは、少しだけ苦笑うかのように微笑み続けた。

「それに、その後、ヒイロは数カ月も私の元に留まってくれた。それがどれほど嬉しく、勇気づけられたか、私でもわからないくらいだわ」

「……だからオレを止めたのか?」

と、ヒイロは驚きつつも聞き逃せない事をリリーナに単刀直入に問うた。

それ故に、リリーナは満面の笑みと共に自身の『選択』と選んだ『道』を肯定した。

「ええ。言ったはずです。ヒイロが居ない世界を私は否定する、と」

「……」

「それがどれほど罪深い想いだとしても、私は私の願いを叶える選択をし続けます」

「……だから、俺にも選択を迫ったのか?」

そうヒイロに問い返されたリリーナは、ただ満面の笑みと共に短く肯定をした。

「ええ」

「……」

「貴方に選択を迫った罪も、私が選択したが故の罪も、私が償います。だから、貴方は貴方の為にだけに生きてください」

というリリーナの思いに対し、ヒイロは淡々とした口調でおもいを言葉にした。

「……言われなくとも俺は生きる」

「……また『再会』をしましょう、ヒイロ」

 

 

 

今回で開設記念小説の連続更新が終了となります。

はじめは原作に近い展開でも、すぐに自己満足的な萌えのただ漏れな展開となりました。

ですが、少しでも楽しんで頂けたり、同好の方がいてくだされば幸いです。

 

 

 

 

 

護りたいあなたへ捧げる10のお題 (2)配布元「疾風迅雷」