ガンダムWの新作小説『フローズン・ティアドロップ』のネタバレが多く含まれています。
リリーナの想いを否定せず、選んだ『道』と重なる『こたえ』をヒイロは選択した。
それがどれほど重く、罪深いと知っていても、リリーナはヒイロに微笑みを返した。
いや、リリーナが『選択』した時から願っていた『こたえ』であったが故に微笑んだ。
「ありがとう、ヒイロ」
「感謝する必要なはい。おまえが願いの為に選択し、オレも願いの為に選択しただけだ」
「ええ、それはわかっています」
そうリリーナが、互いの真意を理解したかのように答えた為、ヒイロは無言を返した。
いや、ヒイロにとっても、互いの選択を理解し、再確認する必要もなかったから。
それでも、リリーナは嬉しさ故に、微笑みながらヒイロへと確認をする様に問い掛けた。
「でも、私が願ったことを、ヒイロは選択してくれたのでしょう?」
「……オレはオレの願いの為に選択するだけだ」
「だから、私は嬉しいのです」
というリリーナの答えは、ヒイロにとって返す言葉もおもいもなかった。
それ故に、ヒイロはリリーナに対しても無言を返す事しか出来なかった。
その様なヒイロの思いに気付いているリリーナは、満面の笑みを崩さずに想いを告げた。
「その想いがどれほど罪深いとしても、私は喜び、貴方に感謝します。だから、貴方だけが罪を負う必要はないのです。私は自ら選んだのですから」
「……」
「ヒイロと共に生きられる『世界』で再会しましょう?」
そう告げるリリーナに対し、ヒイロは短くも偽らぬ想いを込めて応えた。
「……ああ」
「……ありがとう、ヒイロ」
実際、リリーナ嬢が「PPP」を選んだ理由は明確に原作で明らかになるのでしょうか?
というか、『世界』よりもヒイロを選ぶリリーナ嬢は「ありえない」から良いと思うので、
原作でそのような展開になるのは……ちょっと怖い気がします。
護りたいあなたへ捧げる10のお題 (2)配布元「疾風迅雷」