夕食当番であるマリンが食事を食卓に並べている時、アクアはさりげなく問いかけた。
「ねえ、マリンはブルーで良かったの?」
「え?」
「ブルーが人となって良かったの?」
そうアクアに問い続けられたマリンは、質問の意図を理解したと同時に笑顔で肯定した。
「はい、もちろんです!」
「でも、今のブルーに加護の力はないし、マリンも星の娘にはなれなかったのに?」
というアクアの問いは意地が悪いと言えるものだったが、マリンは満面の笑みで答えた。
「確かに、過去に出逢ったブルーさんと、今のブルーさんは違うかもしれません。でも、私にとってブルーさんはすごく大切な人なんです!」
「……それ、本人にも言ってあげると良いわよ?」
「そ、それは出来ません!」
そうマリンはアクアの提案を即座に否定した。
そして、それが乙女心だと理解しているアクアは質問以上に意地の悪い笑みを見せた。
「そう? ねえ、ブルーは率直な恋心を聞いて嬉しくない?」
「え!」
「うん、すごく嬉しいよ」
と三人娘と共に暮らす家に帰ってきたブルーは穏やかな笑みでアクアの問いを肯定した。
だが、乙女の恥じらいの限界を超える状況故に、マリンは食事当番の事も忘れて家を出た。
否、アクアの意地の悪い質問の意味にようやく気付いたマリンはただ全力で逃亡した。
「え、マリン?」
「追いかけたら?」
「……でも、僕から逃げたんだよね?」
そうブルーはアクアの提案と状況の確認をする様に問い返した。
それ故に、アクアはブルーに乙女心の説明ではなく、実行をするべき事だけを言葉にした。
「アレは乙女の恥じらいで、追いかけないとブルーは恋人失格よ」
「じゃあ、マリンを説得してくる!」
とアクアに答えたブルーはマリンの全速力よりも早く走り出した。
それを見送ったアクアに対し、沈黙していた葵が溜め息を吐いてから問い掛けた。
「……発破をかけ過ぎではないか?」
「そんな事を言ってるから、葵はいつも気付けないのね」
「どういう意味だ?」
「とりあえず、ブルーがマリンと結婚するまでには気付けると良いけど」
そうアクアに言われても、マリン以上に恋心に疎い葵はわからなかった。
そして、葵の鈍さにも慣れてしまったアクアはただニヤリと笑ってから夕食をつまんだ。
また、その様なアクアの意図的な幼さと確信犯な言動に対し、葵は再び溜め息を吐いた。
今回もネタバレ満載で未プレイな方には不親切なSSかと。
ですが、三人娘とブルーの同居生活はすごく美味しいという思いのままに書けて大満足です!
ただ、ファンタ(無印)と違い、ファンタ2は未コンプなので、ブルマリ以外のCPとED後の妄想は出来ていなかったりします。
いえ、難易度が高いと定評なコルダ(無印)とは違う意味の難易度があるゲームなので、フルコンプをする余力と時間が無くて(涙)
とりあえず、コルダ(無印)の柚木先輩のイベントコンプはしたい!と思っていますが……来年のスパコミまで予定通りに終わればコンプ時間は出来る!と思いたいです。
また、明日は鋼の錬金術師のSSでロイ×エドの双子の妹(オリキャラ)の予定です。
両片想いなのでいつも以上に甘くない糖度になるかと(遠い目)