くちづけ~斉藤&千鶴~

『千鶴と交際したかったら斉藤と南雲を倒せ』

という噂を校内中に流した山南の策により、千鶴へ気軽に声をかける者は少なくなった。

そして、その噂が流れたと同時に、土方と千鶴の想いに気付く者も減った。

だが、斉藤と千鶴の関係を誤解する者が多くなり、それをあえて放置するのに苦労していた。

それ故に、斉藤と千鶴が誤解を定着させる為に二人で会話をした後、ギャラリーを散らした。

しかし、それでも散らしきれなかった者達への餌として斉藤は千鶴にキスをした。

それを見たギャラリーは騒ぎ、千鶴は斉藤からまぶたの上にキスをされる意図を確かめた。

「斉藤先輩?」

「……まぶたの上は憧憬だという意味を知っているか?」

そう斉藤から耳元で囁きながら問い返された千鶴はただ驚いた。

そして、その様に初心な反応を返す千鶴に対し苦笑いながらも、斉藤は生真面目に答えた。

「まぶたの上にキスをするのは憧憬という意味らしい」

「……まだ、追いかけてきている人達がいるのですか?」

「……ああ。撒ききれなかった。済まない」

と耳元で囁くには似合わぬ生真面目な声音の斉藤に対して千鶴も生真面目に答えた。

「いいえ。斉藤さんには感謝してもしきれない恩が有りますから」

「俺が好きでやっている事だ。気にする必要はない」

そう斉藤が千鶴の耳元で囁き続けていると、周囲に居たギャラリーたちも散っていた。

それ故に、千鶴は斉藤からあえて距離を取ると、ただ感謝の気持ちを言葉にした。

「有り難うございます」

「今日は職員会議だと聞いた。平助も誘って一緒に帰宅するか?」

と斉藤はさりげなくも再び護衛をするという提案をし、千鶴はその好意へ素直に甘えた。

「はい。よろしくお願いします」

 

 

 

 

 

斉藤さんは現代でも土方さんの信奉者で千鶴嬢との交際でも積極的に応援しそうです。

そんなワンコ気質な斉藤さんにも萌えている為、同好の方にも楽しんで頂ければ、と。