土方の教材の片付けを手伝った千鶴が教室へ戻ろうとした際、背後から声をかけられた。
「ホント、千鶴ちゃんって物好きだよねぇ」
「え?」
「今は相手にされないだけじゃなくて、障害も多すぎるでしょ?」
そう沖田に問われた千鶴は、ただ真っ直ぐな視線と共に状況を確認するように問うた。
「……私は隠しきれていませんか?」
「聡い人は気付いていると思うよ?」
という沖田の問い返しは、千鶴にとっても想定内で、それ故に沈黙した。
否、千鶴は沖田の問い返しに続きがある事を察し、ただのその続きを聞こうとした。
そして、その様な千鶴の聡さと素直すぎる想いに苦笑いながらも問いを続けた。
「でも、聡ければ聡い程、傍観者になるしかないって事にも気づいていると思うけど?」
「……ありがとうございます」
そう千鶴が問い返しに対して感謝の言葉を返した為、沖田はただ驚いた。
そして、ただ驚いている沖田に対し、千鶴は自身の言葉の意図を問われる前に答えた。
「沖田先輩にも見守って頂いているんですよね?」
という千鶴の意図を聞いても、沖田は予想外な答えに対する驚きを抑えられなかった。
しかし、その様な千鶴に負けたように思った沖田は、ただ意趣返しを試みた。
その様な意趣返しに気付かない千鶴の手に沖田は自身の唇で触れた。
手の上にキスをされた千鶴はただ驚き、意趣返しが成功した沖田はニヤリと笑った。
「見守っている優しい先輩になら、これくらいされても問題ないでしょ?」
「沖田先輩!」
薄桜鬼でもくちづけは共通ですが、片恋という要素も加えてみました。
そして、沖田先輩と斉藤先輩と平助君と原田先生はSSL設定で捏造をしてみました。
なので、上記の4人は千鶴嬢が土方先生を思っている「片恋」を応援している、
というイメージで書いているので、千鶴嬢への想いは「親愛」になるかと。
また、沖田先輩はスキンシップが多くも、一線はきちんとしているイメージがあります。