死者を出さずに戦力だけを削るマスタング組の反撃がロイとアグニの錬金術となった頃。
狙撃をしていたホークアイも合流したマスタング組の面々に対し、ロイは淡々と命じた。
「おまえ達、どうにもならなくなったら、私を置いて逃げろよ」
そう生真面目な表情でロイが告げると、マスタング組の面々はあっさりと承服した。
そして、アグニも生真面目な表情でロイの命令に応えた。
「ええ。マリアちゃんは私が責任を持って逃がすわ」
「……つまりは私に死ぬな、というのか、氷炎の?」
「あら、マリアちゃんを他のイイ男の嫁にする気?」
という氷炎の状況を忘れたような気軽な問い返し対し、ロイも日常会話の様に返した。
「そんな未来などない!」
「でも、そろそろこちらはジリ貧かしら!」
そう氷炎も周囲への牽制をしつつも危機的といえる状況とは思えない軽口を言葉にした。
だが、ロイも状況に似合わぬ不敵な笑みと共にアグニへと答えた。
「そうだな。今の我々には補給部隊が無いからな」
「そうね。でも、士官学校の食事時よりはマシだわ」
「ああ、あの時は俺達以外が全て敵だったからな」
というロイとアグニの会話を聞いたマリアは、状況を確認する様に周囲に問い掛けた。
「……笑ってる場合ですか?」
「いや、ここは笑うべきだぞ、お嬢ちゃん」
「そうだな……俺も賛成だ」
そうマスタング組の面々がロイとアグニの言動を肯定する様にニヤリと笑った。
また、ホークアイもその意見に賛同する様にマリアへと声をかけようとした。
だが、一か所に集まり始めたマスタング組の面々の前に、謎のトラックが現れた。
そして、そのトラックの中からホークアイの友人が姿を現した。
その上、そのトラックが装甲車である事を知ったマスタング組の面々は狂喜した。
今回はあえてコミックスの一場面から始まり、同様に終わっています。
また、士官学校での食事に関する設定は原作にも無い為、適当に捏造をしています。
なので、それに関してはスルーをして頂けると有り難いです。
そして、今回で市街地戦の捏造は終了となります。
使用お題「親友お題3」お題配布サイト「疾風迅雷」