8 あなたの笑顔を見たい

仕掛けられたトラップにより、ヒイロはリリーナと思いがけない再会をした。

遅くとも、トラップを完全に理解したヒイロは、迫力のある無表情でリリーナを見た。

しかし、リリーナはそんな変化に怯える事もなく、笑みを絶やさなかった。

「私を探してくれてありがとう、ヒイロ」

「……カトルとドロシーか?」

「ええ。お二人に協力して頂きました。ヒイロ、あなたに知って欲しかったから」

と答えられたヒイロは、すぐに部屋から立ち去ろうとした。

しかし、そんなヒイロを強くひき止めるようにリリーナは語調を強めた。

「トラップの事は謝りますが、その経緯はヒイロの所為でもあるのよ?」

「……おまえ達の遊びに付き合う気はない」

「私は本気です」

そう言われたヒイロが否定をしようと振り返った時、リリーナの視線が交わった。

そして、リリーナの瞳の強さにヒイロは言葉を失い、立ち去る機会も失った。

「ヒイロ、私は……」

と言われたヒイロは、リリーナの言葉を遮るように冷たくも短く答えた。

「リリーナ、オレには恋愛感情など理解できない」

「……では、ヒイロの笑顔が見たい、という私の望みは理解して頂けますか?」

「……どういう意味だ?」

「言葉通りの意味です。私はヒイロの『幸せ』が知りたいのです。勿論、私と同じ幸せを求めて欲しいとは思っています。でも、重ならなかった時は静かに身を引きます」

そこまで言われたヒイロは何も答えなかった。

だが、そんなヒイロの心情を想定していたリリーナは、穏やかな笑みを絶やさなかった。

「だからヒイロ、あなたの幸せを教えて頂けませんか?」

 

 

 

 

 

切ない恋愛お題(2)お題配布元:疾風迅雷