7 何故おまえがいないだけで心が騒ぐんだろう

いつもの様にリリーナの予定をハッキングしていたヒイロは、画面のデータを疑った。

なぜならば、リリーナの予定が急に休暇となり、休暇先も不明だったから。

何らかのトラブルに巻き込まれたと思ったヒイロは、すぐに各方面の情報を収集した。

 

そして、人間離れした速さでキーボードを叩くヒイロは、自分の動揺を自嘲した。

リリーナの足取りが不明になっただけで、考えられないほど動揺している自分に。

出逢った当初は殺す対象でしかなかった存在の大きさを認識させられたが故に。

 

だが、ヒイロはその動揺を否定しようとは思わなかった。

リリーナという存在に希望を見出し、護ろうと思った時点で認めていたから。

リリーナがヒイロにとっても、かけがえのない存在である事を。

 

しかし、ヒイロはリリーナへのおもいが、恋愛感情ではないと思っていた。

いや、そうではないと思い込んでいた。

己の過去と業の深さを……誰よりも強い罪悪感を持っていたが故に。

それ故に、ヒイロはリリーナの想いを受け容れる事も、理解する事も、出来なかった。

 

だから、ヒイロは気付かなかった。

ヒイロが調べた情報に隠された事実に。

ヒイロが自分を誤魔化そうとしている事を嘲笑うかのような隠された事実に。

 

そして、現状では調べ尽くしたと思ったヒイロが部屋を出ようとした。

その時、ヒイロは探していた人物が部屋の中に居る事に気付いた。

そう、ヒイロが探していたリリーナが。

 

驚くヒイロとは対照的に、リリーナは艶やかに微笑んでいた。

「私を探してくれてありがとう、ヒイロ」

 

 

 

 

 

切ない恋愛お題(2)お題配布元:疾風迅雷