誘惑~私じゃ、ダメかな?~早安編

早安と花が共に小さな村で暮らす様になってから1年。

今日も早安の薬を村人に届けていた花は、いつもの様に声もかけられた。

だが、今日は子を持つ夫人が集まっていて、夫婦生活について深く聞かれる事となった。

そして、適当に話をする事が難しい花は、早安との生活を赤裸々に語らされた。

結果、初心な花には刺激的かつ親身な指摘を受け、それを実践させられる事にもなった。

だが、何事にも聡く、特に花に関しては過敏な早安はその実践をする前に気付いた。

「……なに考えてる?」

「え?」

「だから、どういう意図があって俺を誘惑するんだ?」

そう早安に続けて問われた花は、ただ真っ赤となって答えに窮していた。

それくらい、花には赤裸々に語らせられた事や実戦する事を話すのが難しかった。

だが、花の事はもちろん、異変に敏感な早安は沈黙する妻の口を開く為にあえて挑発をした。

「それとも、ただ身体が快楽に慣れて、男が欲しくなったのか?」

「早安以外にこんな事しないよ!」

「じゃあ、どんな意図があって『こんなこと』をしたんだ?」

という早安の冷静な問い返しは、花の小さくも根深い不安を芽吹かせた。

いや、互いが生まれて育った場所も違う故に、花は早安の過去を知るのが怖かった。

それでも花は、良い機会だと思ってその不安の片鱗を確かめようとした。

「……やっぱり早安ってこういう事も慣れてるの?」

「それは同じ答えを返す。おまえ以外を欲しいと思った事ないから、俺も」

そう早安がまっすぐな視線で断言すると、花は不安だった思いが払拭されるように思えた。

それくらい、花は早安への想いでいっぱいだったと言えた。

そして、その様な花の想いも言動も察している早安は辛抱強く問いへの答えを求めた。

「で、答えは?」

「……答えないと駄目?」

「おまえに言葉以上の尋問はしたくないんだけど?」

という早安の問い返しは、過去を知るが故に花にも本気である事がわかった。

また、早安にその様な事をさせたくない花は、恥ずかしさに耐えながら率直に告げた。

「……夫婦生活を円満に維持するには女が誘うくらいが良くて、ただ受け身だけだと飽きられるって言われたの」

「……で、俺を誘惑しようとしたわけか」

「でも、やっぱり私なんかの誘惑じゃあ駄目なんだよ……」

そう花は自身を貶めた結論で終えようとしたが、早安はそれを遮る様に花の手をつかんだ。

それから、早安はつかんだ花の手を自身の昂りはじめている下腹部に触れさせた。

それ故に、花は悲鳴なき声と咎める様な視線を早安に向けたが、早安は淡々と花に答えた。

「駄目じゃない、だろ?」

「そ、そ、そうあん?!」

「おまえが答えたから俺も答えた」

「で、でも……」

と答えながら動揺する花の初心さに対し、早安の嗜虐心を煽られつつも冷静に問い返した。

「第一、触れるのもはじめてじゃないし、おまえは俺を誘惑する気だったんだろ?」

「……」

「本当におまえって面白いな」

「どうせ色気も足りてないで……!」

そう逆上した花が再び自虐しようとしたが、今度は早安の唇に言葉ごと奪われた。

そして、その行為に驚いた花は離れようとしたが、早安はそれも阻止する様に抱き締めた。

その為、早安は花をつかんでいた手を放したが、早安と花の距離が無くなった。

それから、早安は花に互いを奪い与える様な深いくちづけをした。

そして、その行為で全身の力が抜けた花が早安に身を預けると強く抱きしめられた。

「おまえは自覚も無さすぎだ。おまえ以上に魅了される存在も無いし、おまえはいつも無自覚に俺を誘っているしな」

「え?」

「だから、おまえは受け身だけじゃないし、夫婦生活でも退屈していない」

「早安……」

と早安の名を口にした花は、不安だった思いも日々深まる想いも昇華されるように感じた。

だが、その様に安心しきった花に対し、早安は意図的で不安を煽る様な笑みを見せた。

「でも、無用な心配をさせたお仕置きはするからな」

「お、お仕置き?」

「ま、楽しめるようになったなら、それも癖になるかもな?」

そう早安に問い返された花は、その甘く囁かれたが故にどの様なお仕置きかを察した。

それ故に、花は早安の言動を非難する様に、ただ花は抗議する様に早安の名を叫んだ。

「早安!」

「多少の刺激も夫婦生活を円満にするコツだとも言われただろ?」

という早安の問い返しは、花には想定外だったが故に再び返す言葉を奪われた。

そして、その様な言動を予想していた早安は、花の身体を深く包み込む様に抱き締めた。

「安心しろ。おまえを傷つける事はしないし、出来ないから」

「……うん。ごめんね、早安」

「……人の言葉を信用し過ぎだ」

そう早安は花の言動の素直さをそう評した。

いや、花の言動は昔から変わらず、最近は特に酷いと早安は思っていた。

だが、それは早安という伴侶を持ち、家族の様な村人達の存在の所為だとは気付かなかった。

そして、それを無意識に理解している花は、早安の思いに気付く事が出来なかった。

「早安?」

「……夫として妻への教育を考えていただけ」

という早安の答えは、花にとって想定外だったが甘い予感を感じさせた。

しかし、甘いだけでは済まない事も過去の経験から察するが故に、花は早安に再び抗議した。

「教育って……」

そう花に抗議されそうになった早安は艶やかな笑みを見せながらも優しく抱きしめた。

「今日はたっぷりと教えてやる。おまえの魅力もその使い方も」

翌朝から、花は久方ぶりに布団から出られぬ日が続いた。

そして、花が薬の配達が出来るようになると、村人たちから生暖かい応援をされた。

それ故に、花は体調以外の理由で外出したくなくなったのはまた後の話。

 

 

 

 

 

えっと、想定よりも艶のあるお話になりました。

……この小説にも年齢制限って必要だったりしますか?

攻略キャラの中で一番ネタと展開を書くのが難しかったですが、

書きはじめると……サクサクと書けました。

また、早安は三国恋戦記の攻略キャラでは最年少ですが、

一番『大人』だと思うのは私だけではないはずです!

それに、書くのは難しい方ですが、ゲームでは萌えました!

なので、早安にも再挑戦したいと思っています!

 

そして、今回は早安で三国恋戦記の連続更新は終了しますが、

今年のサイト開設記念小説として、SSの連続更新は予定しています。

ただ、その後は……年単位での更新が確実ですね(遠い目)