9絡まる指(お題使用1)

衆目観衆の中、女好きと名高いロイに抱き寄せられ、甘く囁かれている妙齢の女性。

そうマリアが自身を認識しているが故に、ロイへの抵抗は止まらなかった。

そして、衆目も観衆も気にならないロイは、ただマリアを抱きしめて甘く囁いた。

「……やはり、ファーストキスの事を根に持っているのかね?」

「乙女のファーストキスを、口止めの為だけに奪ったのですから、当然なのでは?」

「だが、本気で惚れている女性から口説かれたら、キスのひとつはしたくなるものだろう?」

そういうロイの本音と想いを聞かされたマリアは、激しい頭痛にも悩まされた。

「……乙女にぶちゃけるには問題が大アリなお答えを有り難うございます」

「君が相手だからこそ、本音を言葉にしているだけだよ」

「……そうですか。では、私からも訂正します。確かに私は逆プロポーズをしましたが、あれは告白であって口説きではありません!」

と答えるマリアのテンションはただ上がるだけだったが、ロイは変わらなかった。

いや、マリアが抵抗すればするほど、ロイは抱き寄せる力を増し、囁く甘さも増した。

それが比例している事実に、マリアは気付こうとせず、ロイは気にしていなかった。

それ故に、ロイは抵抗するマリアとの会話の応酬も楽しむ様に続けていた。

「同じだろう」

「素直な想いを言葉にして、言葉での答えを確認しようとしただけです」

「言動は伴ってこそ、というのが私の信条なんだが?」

「……では、マスタング将軍。今、腰に手をまわして、手もつないでいるのも意図的ですよね?」

そうマリアが強い口調でロイを制しようとしたが、ロイはただマリアに甘く囁いた。

「ああ。こうやって互いの手をつなぐ時は指も絡めると良いと思わないか?」

「……人の忍耐力をいつまで試されるおつもりで?」

「忍耐力とは酷いな。互いの想いを行動でも確かめているだけだろう」

「い・い・え・忍・耐・力・で・す」

というマリアの沸点が限界に達したと思ったロイは、実力行使というカードを切った。

「その様な抵抗をした方が逆効果だと知らないようだね?」

「え?」

「では、君が恋愛経験も豊富だという私が実地で教えるとしようか?」

そうロイに告げられたマリアは一切の抵抗を奪われ、キスも避けられなくなった。

それ故に、マリアは瞳を閉じ、ロイはそれを嬉しそうに見ながら互いの距離を近づけた。

 

 

 

 

 

……このSSのオチがおわかりの方はそっと心の中にしまっておいてください。

そして、わからない方、どうかここでも過度な期待だけはご容赦ください。

 

 

 

使用お題「微エロ10題1」お題配布サイト「疾風迅雷」