私が何度も告白をしてもヒイロが受け入れてくれない事は理解できます。
でも、私が目指す『平和』は、あなたも幸せになれる世界なのです。
なぜ、ヒイロはそれを理解してくれないのでしょう?
確かに私は人を殺めた事がありません。
ですが、過去に私は復讐の為に銃を手に取り、人を殺めようとしました。
多くの人が私の理想を実現する為に戦っているのに、一人、戦場から離れました。
その上、その人々の想いと命を裏切るような形で、地球の国々を偽りで支配しました。
私は彼らのように己の手を血に染めずとも、血以外のモノにも染まっているのです。
そう、この身は私のモノではなく、同じ志を持つ方達と共にあるだけなのです。
そして、今も『平和』を実現する為に戦うあなた達を、止める事も助ける事も出来ません。
そんな無力な私でも、『世界』は必要としてくれている。
だから私は命をかけて『平和』を実現し、維持しようとしている。
それが私の願いで、課せられた咎だと思っているから。
だからヒイロ、私の想いを受け容れてくれなくてもかまわないのです。
ただ、私はヒイロに知って欲しいのです。
あなたの幸せを願う者がいる事を。
なのに、私はあなたを追い詰めてしまったのですね。
だから私は自分の想いを封じました。
ねえ、ヒイロ。
どんな思いで口にしたのですか?
私がヒイロの嘘に気付かないとでも?
でも、ヒイロの言葉に『偽り』はないのでしょう?
『幸せ』を必要と思ってくれないのは、本気なのでしょうから……
切ない恋愛お題(2)お題配布元:疾風迅雷