9 むしろ、離れられないのはオレの方

「愛している」という言葉を、オレは理解する事が出来なかった。

ただ、リリーナがオレを必要としている以上に、オレがリリーナを必要としている。

それだけは真実で確かな事だ。

 

そして、その必要性は感情論とは違うだろう。

リリーナに求める事も、求められる事も、必要としていない。

ただ、リリーナという存在がこの世界で生き、思いを遂げるのを支えたいだけだ。

 

そこに愛や恋が存在しているとは思えない。

いや、オレにそんな想いを抱く資格も理由もない。

ただ、オレを生かす理由、それがリリーナという存在というだけだ。

 

もし、このような感情を愛や恋だと言うならば、オレは存在さえ許されないのだろう。

人としての生きる為の希望を、持つ事さえ許されないと言うべきか。

ならば、オレには生きる事さえ許されないということか。

……それでもオレはかまわない、オレの命は安いのだから。

 

いや、それこそが望みかもしれない。

リリーナという存在を失う前に死ねるのだから。

 

リリーナなら、オレがいつ倒れ、死んでも、この世界を護り続けるだろう。

だが、リリーナという希望を失った世界で、オレは存在する意味を見いだせるだろうか?

人として生きていく事を望む事が出来るだろうか?

 

その答えはわからない。

いや、考えられない。

リリーナが存在しない世界など、今のオレには想像もしたくない未来だから。

 

だから、リリーナ、オレではなく『世界』を選んでくれ。

それだけが俺の唯一で確かな願いだから……

 

 

 

 

 

切ない恋愛お題(1)お題配布元:疾風迅雷