7楽しまなきゃ損!(お題使用1)

ロイとヒューズとアグニが『親友』として周囲にも認識されるようになった頃。

ロイとアグニのファンクラブの面々もそれを認め、一応の平穏な時期となっていた。

だがアグニは、ロイを知った時や、ヒューズとの出会いも、ロイに語ろうとしなかった。

しかし、アグニの人柄を知る様になるにつれ、ロイは強引に聞き出そうとしなくなった。

そして、ヒューズもそれらを語ろうとせず、ただ『親友』というポジションでいた。

ただ、ロイとアグニの考えに賛同しかねる言動は看過できなかった。

いや、ロイとアグニを思うが故に、ヒューズはお節介と呼ばれる指摘を言葉にした。

「ロイは本気で恋愛する気がなくて、アグニはロイの母親になりたいなんて……青春という大切な時期を無駄にしてるぞ、おまえ達!」

そうヒューズに熱く指摘されたロイは、淡々とした口調で教科の本を読みながら答えた。

「特定したい女性に出逢っていないだけだ」

「不特定多数と付き合うより、一人だけに限る事には同意してくれるでしょ、マース?」

と問い返したアグニは、ロイとは違う冷静さと無言の圧力で、ヒューズに同意を求めた。

対照的なクールさで答えるロイとアグニに対し、ヒューズはあくまでも熱く答えた。

「おまえ達は両極端なんだよ!」

そうヒューズに熱く叫ばれたロイは、読んでいた本から視線だけをヒューズに向けた。

「今は勉強を主軸にしたいんだ。錬金術も師匠は基礎しか教えてくださらなかったからな」

「ロイにこだわりがなければ、私に錬金術を教えてくださった方を紹介するわよ?」

「いや、俺はホークアイ師匠に認めてもらいたい」

と、ロイはアグニに対し、正直で強い思いを言葉にした。

それ言われたアグニは、その言葉を嬉しそうに聞き入れると、ただ紙の束を差し出した。

「そう。じゃあ、今日はこの理論についての意見交換としましょうか?」

「これは……最新の文献だな。さすがは東方一の商家の一人娘だな」

「ふふふ、そんなありきたりな誉め言葉、あからさま過ぎよ、ロイ?」

そうアグニとロイが学生らしい健全な会話を聞かされた、ヒューズはあえて沈黙した。

そして、その沈黙に気付いたアグニは、ヒューズの意図を確かめる様に問い掛けた。

「……マース、どうしたの?」

「士官学校に在籍してるんだ、勉学が優先なのはわかるが、青春も限られているんだぞ!」

とヒューズは自身の主張を熱く叫び、ロイとアグニに同意を求めた。

しかし、アグニは冷静かつ端的にヒューズの主張を却下した。

「色ボケな意見は学生の本分に合わないわよ、マース」

「そうだな。私の様に……」

そういうロイの主張も、アグニは言い終わらせる事なく、冷たい口調で却下した。

「不特定多数と適当に遊ぶのも女性に失礼よ、ロイ」

とアグニに却下されたロイは、返す言葉も失い、沈黙するしかなかった。

そして、先に却下されたヒューズも、アグニが纏う空気の冷たさに気付いて沈黙した。

その様な沈黙に対し、アグニは淡々とした口調でただ同意を求める様に問い掛けた。

「ま、今は学生の本分で勉学に勤しむのも一興で楽しいと思うけど?」

「……アグニはまじめ過ぎだな」

「……そうだな、大人になってから遊びを覚えると溺れるかもしれん」

そうロイとヒューズに断言されたアグニは、再び絶対零度を感じさせる笑みを見せた。

その笑みの怖さを体感した事があるヒューズとロイは、ただアグニの同意に追随した。

「いやー勉学も大事だな、ロイ!」

「ああ、学生の本分だな、ヒューズ」

 

 

 

 

 

似たオチが続いていますが……次回も似たオチになるかと。

今回のお題9と10はシリアスになる予定ですし、

今回のお題を使用した紹介小説後に更新後に予定している

氷炎がメインとなるお題を使用した原作沿いも

かなりシリアスな展開が続くと思われるので、

次まではこの軽くお約束なオチを続けようと思います。

 

 

 

使用お題「親友お題1」お題配布サイト「疾風迅雷」