嫉妬してください♪遼編

遼を呼び出した美鶴は珠紀に浮気の疑惑があると告げた。

すると遼は、美鶴を侮蔑する様な表情となった。

そして、その表情から感じられない程、熱く激しい言葉を美鶴に浴びせた。

「……おまえは『珠紀様』が大切ではないらしいな」

そう遼に告げられた美鶴は返す言葉を失った。

それは、美鶴の嘘と意図も見抜かれていた事を指摘されただけではない。

それ故に、美鶴は遼の言葉に大きく心が揺さぶられた。

過去に贄の儀を行っていた時の様に、心を殺している自覚があったが故に。

そして、その様な美鶴のおもいにも気付いているが故に、ただ遼は呆れた。

「わかってて言ってるなら重症だ。古き因習などに囚われてどうする?」

「……」

「まあ、いい。ならば玉依姫様の身を俺に差し出す準備と後始末でもしてもらおうか?」

と遼が美鶴に問い返す、否、命を下すような言葉を口にした。

すると、美鶴は身体を固くこわばらせ、ただ縋る様な視線を返した。

だが、その視線に遼は答える事はなく、何も答えなかった。

その様な緊張感が漂う居間の空気を壊す様に、珠紀が遼に詰問した。

「ちょっと、遼! 何で美鶴ちゃんをいじめてるのよ!!」

「……被害者はおまえだろ、珠紀」

そう遼は珠紀の問いに対し、状況を簡潔に短く答えた。

しかし、珠紀は短すぎる答えの補足を求める様に遼へと更に問うた。

「え、どういう事?」

「ふざけた理由でお前に身籠らせたいようだからな」

「……み、身籠らせたい!? どういう意味よ、遼!!」

と珠紀は、あくまでも経緯と状況の説明を求めが、遼は詳細な説明をしなかった。

いや、美鶴の嘘と意図に気付いただけの遼には『説明』が出来なかった。

「それはこいつに聞け。あと、おまえが望むなら、確実に子供が出来るくらいに抱いてやる。ただし、学校に1週間は行けない事を覚悟しておけ」

そう遼に応えられた珠紀は黙り込んでいる美鶴に状況説明を求めた。

「……み、美鶴ちゃん?」

「も、申し訳ございません! いくら言蔵家と犬戒家の総意とはいえ、珠紀様にご負担を強いる事を提起し、申し訳ありません」

と、美鶴は感情を殺していた時とは違う、感情を伴った声で答えた。

その声と言葉を聞いた珠紀は、ようやく状況と遼の短い答えを理解した。

「……えっと、つまり、玉依姫の後継者問題が争議になったのかな?」

「はい。兄の問題や犬戒家からの総意も有りまして……玉依姫様が珠紀様だけである以上、早急に後継者問題を解決しなければ、という事になりまして」

「……それは、俺が犬戒の名を継がない事も理由か?」

「……はい。玉依姫様の血を継いだ犬戒の男子を迎える方が良い、という総意にもなったのです」

そう美鶴に答えられた遼は再び嘲笑する様な侮蔑する様な表情になった。

「はっ、俺を手なずける事を諦め、幼子の調教を選んだ、という訳か」

「ちょ、ちょっと、待ってよ、二人とも! 後継者、後継者って、そんな簡単に子供が出来る訳ないでしょ!!」

と、珠紀は状況を理解しきれず、ただ遼と美鶴の会話に割り込んだ。

それ故に、遼はただ珠紀の身体を抱き寄せながら告げた。

「……理由なんてどうでもいい。おまえを独り占めした上で抱き続けられるなら、な」

「……」

「とりあえず、おまえの提起とやらを受け入れてやる」

そう美鶴に告げた遼は、抱き寄せた珠紀の身体を抱き上げた。

そして、美鶴は再び言葉を口にする事なく、珠紀だけが足掻いた。

「ちょ、ちょっと、私の意志は無視なの!」

「……俺に抱かれるのが嫌だというのか?」

という、遼の寂しさを感じさせる静かな問いに対し、珠紀はただ戸惑った。

「そ、それは……ないけど、一週間も学校に行けないのは……ちょっと……」

「おまえが壊れない程度には気をつけてやる。おまえは俺の主だからな」

「だ、だから、私の意志を無視しないで!」

そう珠紀は遼に抱きあげられた状況の中でも足掻いた。

しかし、その様な足掻きを軽くあしらう遼には敵わなかった。

そして、珠紀への謝罪以外の言葉を口にしない美鶴は遼を止めなかった。

それ故に、美鶴はただ珠紀と遼を見ていた。

その無表情に込められた美鶴の感情に気付いても、遼は言葉を掛けなかった。

そして、ただ状況に足掻いている珠紀は気付けなかった。

遼と珠紀が去った居間に残された美鶴が、一筋の涙を流した事も……

 

 

 

 

 

遼は薄桜鬼の原田さん同様、全年齢が難しい方かと。

というか、黙っていても18禁になりそうな方です。

それに、原田さんは意図的な全年齢も可能ですが、

遼の場合、こちらの思惑など無視をして、

無言実行で珠紀嬢を襲いそうですよね……

でも、そんな遼のキャラとルートも好きです!(←マテ!!)

はい。蒼黒の楔での村人との会話と展開は

お約束とも言えますが、かなり萌えました!!!

ただ、上記の展開を小説で書こうとすると……

長編になりそうなので、書く事は自粛しています。