嫉妬してください♪祐一編

ある日、祐一は美鶴から唐突に珠紀に浮気疑惑がある事を告げられた。

すると、祐一は言葉を返さず、ただ幻術を遣った。

そして、祐一の身体の揺らぎから術を遣った事を知った美鶴は確認をした。

「……幻術を使われたのですか?」

そう祐一に問うた美鶴は酷く戸惑っていた。

祐一の表情が、感情を極限まで殺した様な無表情だったが故に。

いや、祐一の表情も含めたタダ漏れな殺気にも、美鶴はただ驚いた。

「珠紀に確かめるのも最優先事項だ。で、状況と相手の名前を教えてくれ」

「……ひとつ、聞いても良いですか?」

「それが交換条件か?」

という祐一の声も、表情以上に感情が感じられなかった。

それ程、祐一が追い詰められているのだと悟った美鶴は、ただ状況確認をした。

「……いえ、非常事態かと思ったのです」

「間違い無く非常事態だ」

そう祐一に答えられた美鶴は返す言葉を失った。

それくらい、祐一の言動は常には感じられない程に感情的だった。

それ故に、幼馴染みでもある美鶴は言葉が浮かばなかった。

そして、美鶴の言葉で常軌を失した祐一は更に表情を険しくした。

「……この家や神社内に珠紀は居ない様だが……相手の男の処に居るのか?」

「その場合、男性の命は……」

「俺は珠紀を手放す気はない。例えどんな手段を使おうとも、な」

という祐一の言動の裏も察した美鶴は、自分以外への殺気にただ気圧された。

それ故に、美鶴が答えを言葉にしなかった為、祐一はただ答えを求めた。

「強硬手段を使うのは気が進まないが……」

「あれ、祐一先輩?」

そう話題の中心であった珠紀が現れ、状況確認を祐一に問うた。

その様な珠紀の言動が常と変わらない為、祐一は美鶴に状況説明を求めた。

「……どういういう事だ、美鶴?」

と美鶴に問う祐一のタダ漏れな殺気に気付いた珠紀が再び状況を問うた。

「祐一先輩、どうして殺気なんて……もしかして、鬼切丸を狙う者が現れたんですか?!」

「……珠紀を狙う輩がいる、いや、珠紀の意志で、か?」

そう珠紀に答えながら、状況を再確認した祐一は、再び美鶴に問いかけた。

「……いや、美鶴、先程の言葉は、嘘か?」

「……はい」

と美鶴は祐一に対し、降伏する様に嘘である事実を認めた。

それ故に、祐一は安堵からタダ漏れな殺気をしずめてから小さく笑った。

そして、ただ状況がわかっていない珠紀に対し、祐一は提案を言葉にした。

「……珠紀、今夜はここに泊まっても良いだろうか?」

「え、私は良いですけど……」

そう珠紀は祐一に答えつつ、美鶴へ視線を向けた。

しかし、美鶴が珠紀の視線に応える前に、祐一が言葉を口にした。

「今夜はババ様もいないし、美鶴も言蔵家に泊まる用が出来たらしい」

「え、大丈夫、美鶴ちゃん?」

という珠紀は、やはり状況がわからず、ただ美鶴を案じた。

それ故に、美鶴は罪悪感があったが、あえてそれは言葉にしなかった。

「え、あ、はい。すみません」

「今夜は俺が泊まるから、安心してくれ」

そう祐一に言われた珠紀は、美鶴がいる事も忘れてただ頬を染めた。

「え、あ、はい……嬉しいです」

「そう言ってもらえると、俺も嬉しい」

と珠紀に告げた祐一はそっと視線だけで美鶴の退室を促した。

その視線を受けた美鶴は、そっと涙を流しながら退室した。

そして、二人の世界に浸かりきっている珠紀はそれらに気付かなかった。

また、祐一は美鶴の嘘の理由も真意もわからなかった。

しかし、現状を歓迎する祐一もあえて二人の世界に浸った。

 

 

 

 

 

緋色の欠片愛蔵版での祐一先輩のキャラとシナリオは

かなりお気に入りで、萌えるルートでした!

3の蒼黒の楔も萌えたのですが、愛蔵版は超えられませんでした。

なので、今回のSSは愛蔵版をベースにしています。

それに、祐一先輩はあくまでも天然だと思いますが、

慎司君や卓さんの様な黒さは無くとも、性悪だと思うのは……

いえ、歪んでいると……いえ、場や人を誑かすのが好きかと……

えっと……性善説が成立しない祐一先輩が好きです!(←マテ!!)