業と未来と(平助&千鶴)

千鶴から入学する高校の名を知った平助は、驚きから奇声のような声音で問い返した。

「え?」

その高校を詳しく調べていた千鶴は、平助の驚きを理解しながらも更に問い返した。

 

「そんなに驚くコトかな?」

「いや、だって、なんであの高校に」

「どうしてって言われると困るんだけど……」

と答えた千鶴の困ったような、だが確信めいた表情を見た平助は、小さな溜息を吐いた。

確かにあの高校は、前世の記憶が有る平助にとっても因縁が深い。

だが、前世の記憶がない千鶴にも『想い』は継がれているのかもしれない。

 

「……記憶がなくても『誠』は消せない、か」

「平助君?」

何時もの明るい表情とは違う色をみせる平助の表情を窺うように千鶴は問いかけた。

そんな千鶴に対し、幼馴染としてみせる表情に戻った平助は笑みを返した。

 

「いや、何でもない。千鶴がそう思うなら、俺は止めないぜ?」

「平助君ならそう言ってくれると思った。ありがとう」

「ああ、今度は選択を誤るなよ、千鶴」

そう平助は呟かずには居られなかった。

例え、千鶴が聞き届ける事がなくとも。

 

そして、案の定、聞こえなかった千鶴は不思議そうに首を傾げた。

だから平助は、何時も浮かべていた明るい笑みだけを、ただ千鶴に返した。

 

 

 

 

 

すみません。平助君だけは現代設定で恋愛モノになっていません。

しかも、現代設定の公式は未確認で書いています。

ゲーム本編は良かったと思うのですが……私的にこの2人の色恋沙汰は思いつかなくて。