ブルーと恋人のマリンは周囲からの圧力に負けてパニック状態のままプロポーズをした。
「か、家族になりましょう!」
「え? 僕の家族はアクアだけだよ?」
というブルーの天然かつ現実的な答えを聞いたマリンは正気に戻った。
否、マリンのプロポーズにも気付かない、ブルーの天然さに対して怒りを感じた。
故に、マリンはプロポーズという色事に似合わぬ鬼気迫る表情でブルーに想いを告げた。
「確かに、私達が結婚したら確かに家族にはなります。でも、私は家族である前に夫婦になりたいんです。姉弟ではなく」
「何が違うの?」
「私はブルーさんを独占したいんです!」
「!」
「そして、ブルーさんにも私を独占して欲しいんです! そして、互いの家族も増やしたいんです」
そうマリンからストレートすぎる告白をされたブルーの表情も真摯な様子に変化した。
そして、ブルーはマリンの言葉の意味も理解したが、真摯な表情とは裏腹な問いを返した。
「つまり、夜も共に過ごして子供をつくりたいっていう意味?」
「え……夫婦は知らないのに、子をつくる方法は知ってるんですか?」
「うん。アークが僕にマリンと夜を共にしたかと聞いてはリュートに殴られてるから」
「……」
「マリン?」
「じゃあ、ぶっちゃけて聞きます! ブルーさんは私を抱きたいですか? それとも他にそう想う女性は居るんですか?」
「マリン以外と過ごしたいと思った事は無いよ。ただ……」
「ただ?」
「アクアから『それは恋愛感情なのか』と問われた時、否定も肯定も出来なかったけど」
とブルーが窮した思いを言葉にしたが、言葉の意味を正確に察したマリンは肯定した。
「なら、大丈夫です!」
「え?」
「ブルーさんが私を選んでくれているなら、あとは私と一緒に知って育てましょう!」
「そうだね。よろしくお願いするね、マリン」
「はい、任せてください!」
「でも、抱き方はアークたちが教えてくれたし、勉強もするから……」
「駄目です! ブルーさんの最初も譲れません!」
とマリンはブルーの向上心とアークの横槍を恋する乙女として強く阻止した。
だが、いまだに乙女心を察しきれないブルーはマリンの想いも理解しきれなかった。
そして、その様なブルーの想いも察しているマリンは満面の笑みで宣言もした。
「大丈夫です。私も初めてですが、一緒に学び育てていきましょう!」
「わかった。一緒に頑張ろう」
「はい!」
天然なカップルだと元ネタから乖離せざる負えなくなり、想定通りにいかない小話となりました……
ですが、それもやはり書いていて楽しいので、そう思って頂ける方が居れば幸いです。