「ReStart」

「コンミス、ね……」

そう柚木は日野香穂子のコンミス就任に関する噂を知った時にポツリと呟いた。

だが、そう呟く柚木の表情は貴公子というより堕天使の様な黒さも感じさせる昏くも魅了される風情だった。

そして、それを隣で見ていた火原はあえて笑顔で同意を求めた。

「でも、日野ちゃんなら大丈夫だよ! そう柚木も思うよね?」

「……火原?」

「なーんて、俺は受験だけでも大変な状況だけど、柚木は……違うよね?」

という火原の遠回しな指摘、否、気遣いを察した柚木は再び貴公子然とした表情で応えた。

「……そうだね。僕にも協力出来る事が増えるようだね。火原も手伝ってくれるかい?」

「アンサンブルへの協力は俺でも出来ると思うよ! いや、協力させてもらいたいよ!」

「ふふふ、本当に火原は人を笑顔にするのが得意だね」

「そう柚木に言われると自信がつくよ。俺でも出来るんじゃないかって……じゃあ、あとは日野ちゃんによろしくね!」

そう火原が満面の笑み応えた為、柚木は苦笑いながらも素の声で聞かせない様に呟いた。

「……本当に凄いのはおまえだよ」

「?」

「それじゃあ、僕はエントランスに行くよ。日野さんに伝えたい事もあるし」

「うん。頑張ってね、柚木も」

そう柚木の背を押した火原はすぐに図書室へと向かい、火原の言葉を受けた柚木は言葉通りエントランスに向かった。

そして、バイオリンケースを持ってエントランスから音楽科の練習室へ向かう香穂子に柚木が声を掛けた。

「やあ、日野さん」

と柚木から声を掛けられた香穂子は少しだけ瞳を見開いてからすぐに笑顔で応えた。

そして、柚木の思惑を知らない香穂子は誘われるままに予約していた練習室へ共に向かった。

 

 

 

 

 

イベントは親密度を上げてから発生するので、コンミス就任を知った日にイベントは発生しませんが、あえて初日にイベント発生としました。

また、このイベント発生からアンコールの恋愛イベントが始まりますが、連続更新ではラストになります。

そして、コルダ2の柚木先輩連鎖ルート贔屓なので、再び事情を知る火原先輩に登場して頂きました!

あと、柚香のSSを更新する予定は有りますが……時期は未定です。