「惚気」

屋上で酷く落ち込んだ様子で座り込んでいる香穂子を月森と土浦は見かけた。

故に、月森は気遣う様に近づき、土浦は香穂子の悩みを恋愛事だと判じながら声を掛けた。

「ずいぶん落ち込んでるな。今日も先輩との惚気でもあるのか?」

「なんで、志水君と冬海ちゃんは私を頼ってくれないの……」

「……もしかして、君を介して柚木先輩に先輩となる時のアドバイスが欲しい、と言われたのか?」

「……という事は、おまえが頼みを聞かなかった所為か?」

そう土浦が問いかけると月森は肯定するように視線を逸らした。

その様な反応から香穂子の落ち込みを理解した土浦は責める様な口調で月森に問い返し続けた。

「まあ、おまえよりも柚木先輩の方が的確に答えられるのは確かだろうが、だからって柚木先輩を勧めたりしたのかよ?」

「……」

「なら、戦犯はお前だな、月森」

と土浦は元凶を突き止めたが、香穂子の落ち込みは解消されず、月森は視線を逸らしたまま答えた。

「……日野はまだ音楽科の生徒ではないし、柚木先輩の方が的確なのは間違いないだろう」

 

 

 

 

 

何故、月森と土浦が一緒に居るのか、という疑問は是非スルーで。

いえ、そこから書こうと思ったら……柚香が関わる小話ではなくなったので(遠い目)