クリスマスコンサートを一緒に成功させた仲間である冬海と志水から人気のない場所で相談された。
否、仲間内では柚木と香穂子が恋人であると知られているが故のお願いをされた。
「柚木先輩には断られたのですが、先輩となる時のアドバイスが欲しいので、日野先輩からお願いして欲しいです」
「……えっと、香穂先輩は普通科なので、出来れば柚木先輩にお聞きしたいんです」
「……」
「日野先輩?」
「……やっぱり、駄目ですよね……すみませんでした!」
そういう香穂子の無反応を拒絶だと思った冬海は志水と共にこの場から去った。
そして、その様なタイミングを計っていたかの様に、タイミングよく柚木が声を掛けた。
「やっぱりお前のところに来たか」
「……」
「香穂子?」
「どうして私じゃ駄目なんですか!」
「怒るところが『それ』か?」
「柚木先輩なんて……」
と香穂子が柚木への本音、否、香穂子と火原しか知らない柚木を知るが故の発言をしようとした。
だが、その様な発言を、否、学園内である事を確認する様に貴公子めいた表情で香穂子の発言を止める様に微笑みながら問い掛けた。
「何が言いたいのかな、日野さん?」
「い、いいえ、何でもないです。失礼します!」
「……しばらく良い息抜きにはなりそうだな」
そう柚木が呟いた言葉は誰にも聞かれず、ただ、香穂子の反応には退屈しないと思うが故に黒い笑みを口元に浮かべた。
コルダ2の柚木先輩連鎖ED後の3学期になったばかりの捏造小説です。
初のコルダ小説と被る時期ですが、捏造で同じ時期を繰り返したりするのもアリだと思って頂ければ、と。