「協力」加地VS柚木

火原から応援された柚木は、香穂子を完全に隠しきっている加地を探し出した。

否、完全に柚木から逃げきっている香穂子並みに、加地の居場所の特定も難しかった。

だが、香穂子を隠す事を優先してる加地を探し出すのは、柚木には難しくなかった。

故に、親友から応援されて本気となった柚木は加地を見つけ出してから問い掛けた。

「加地君、君は誰の味方なのかな?」

「……」

「日野さんの味方なら、誰に従うべきかもわかるよね?」

「日野さんは日野さんだけのものです。だから、誰にも従う必要もないし、従う事を強制されるなら、僕はそれを許しません。だって……」

そう加地は柚木の言葉、否、柚木への反感を強める言葉を否定する様に加地は反論したが、柚木は軽く加地の言葉を聞いた上で制した。

「だって、日野さんの音は至上だから、とでも言うのかい、加地君?」

「はい。日野さんのファンとしても友人としても許せないから、協力したいと思っています」

「なら、わかるよね。日野さんの想いの行方も」

という柚木の答え、否、いまだに認められない現実を突き付けられた加地は言葉を失った。

そして、それも想定していた柚木は、優等生らしい完璧な笑みでズタズタに引き裂くように、加地へと更なる現実を突き付けた。

「日野さんが想う人も、その想いを受け取る人も日野さんを想っている。なら、君はどうしてその二人の邪魔をするんだろうね?」

「……確かに僕は部外者で邪魔者です。ですが、僕は日野さんの音も愛する者としても、友人だと思ってくれている事を受け入れる者としても、日野さんとの関係を隠す事を選ぶ柚木先輩との交際は認められません」

「……」

「だから、日野さんの恋人である事を主張するなら、天羽さんにも頼んで独占宣言をすべきです」

そういう加地の主張を聞いた、否、聞き流した柚木は、あくまでも優等生らしい笑みを崩さずに提案を繰り返した。

「君の考えはわかったよ、加地君。でも、日野さんはそれを求めていないし、君には関係ない事だろう? ならば君は立場をわきまえるべきだ」

「……」

「そして、君は立場を理解する事が出来ているなら、日野さんの居場所を教えてくれるかな? だって、君は日野さんの協力者なんだよね」

という柚木に対し、加地は強くこぶしを握り締めてから俯いた。

その様な加地の葛藤に気付かないふりをしている柚木はただ答えを待った。

「……練習室に居ると思います」

「有り難う、加地君」

そう加地に上辺だけの感謝を言葉にした柚木はすぐに練習室へと向かった。

故に、加地は香穂子ではなく同じ場所に居る天羽へと短いメールを送った。

そして、そのメールへの返信を見た加地は少しだけ目を見開いてからただ神へ祈る様に顔を上向けた。

「……どうか幸せを選んで、日野さん」

という加地の切実な願いは、誰にも聞かれず、また、聞かれたくないとも思っていた。

また、その様な香穂子への想いを昇華するにはまだ時間が必要だとも加地は知っていた。

その為にも、加地は香穂子の笑みを思い浮かべてから再び強くこぶしを握り締めた。

 

 

 

 

 

柚木VS加地です!

コルダ2の某イベントでのこの二人の対立が、コルダ1~アンコールまでのイベントコンプを決意させたと言っても過言ではありません!!

故に、初めてのコルダ創作でもこの二人には対立して頂きました。

ただ……このような特殊な萌えの為、コルダ創作では木日よりも加日の方が萌えやすく、加地君や火原先輩の方が書きやすいのは……

うん。柚木先輩は至高ですから、という事で……うん。至高ですよ、至高。