誘惑しないと出られない部屋 ~リズヴァーン×望美~

「……九郎達と白龍の仕業だろうか」

そうリズヴァーンがいきなり「誘惑しないと出られない部屋」に望美と共に閉じ込められた原因をそう予想した。

そして、同意見だった望美はあえて更なる原因の詳細も言葉にした。

「弁慶さんの策だと思いますが、弁慶さんを動かしたのは九郎さんあたりで、実行は白龍だと思います」

「今の白龍はずいぶんと人寄りで、普通の神よりも融通もあるようだな」

「そうだと思いますが、これが弁慶さんの策で白龍の力で出来たなら、誘惑をしないと出られないと思いますが……どちらが誘惑すると良いでしょうか?」

という望美の問い返しは、恋仲というより師弟を思わせる固い口調だった。

そう。

リズヴァーンと望美は恋仲になってもその様な雰囲気が変わらなかった。

故に、策を用いられた事にも気付かず、ただ師弟らしい会話のまま、ただ状況の確認と打開を確認した。

「今は互いに互いを誘惑すれば問題はないだろう」

「あ、そうですね」

「だが、問題は誘惑とはどのような言葉を口にすると良いか、だ」

そうリズヴァーンが告げると、望美は想定外の言葉に驚いた。

否、リズヴァーンから問われる事を考えてもいなかった望美に対し、リズヴァーンは望美に対して対等な問いを言葉にした。

「えっと……実力行使でも良いんじゃないでしょうか?」

「では、神子から先に誘惑してくれるか?」

「……あ、愛しています、だから、抱いてください……」

という望美の率直すぎて艶もない誘惑に対し、リズヴァーンは大きく瞳を見開きながら何かに耐えていた。

そして、誘惑の仕方は拙すぎるが、望美らしい誘惑だと思ったリズヴァーンは無言で抱きしめた。

その様なリズヴァーンの反応は、自身の拙さを自覚している望美に不安を与えた。

だが、その様な望美の不安を無くす様に、リズヴァーンは望美の誘惑に応える様に囁いた。

「すまない。今は自制も出来そうにない」

「先生……大丈夫です。私も先生に誘惑されましたから」

そう望美がリズヴァーンに応えると、リズヴァーンも望美へ応える様に艶やかに触れた。

「愛している、神子」

「はい。私も愛しています」

 

 

 

 

 

リズ先生は常に無言実行なので言葉で誘惑する事は無縁で、恋愛経験値が少ない望美嬢も作中が限界だと思います。

ですが、それでも誘惑も成立する関係だとも思っています!