いきなり「誘惑しないと出られない部屋」に閉じ込められた望美は戸惑い、敦盛は出る為の条件に関して困惑した。
「誘惑とはどういう意味だろう?」
「え……」
「つまり、どちらが誘惑すべきかがわからないのだが、貴女はわかるだろうか?」
そういう敦盛の言動から、この様な部屋から出る為の条件を実行する事に躊躇いがないと察した望美はあえて再確認をした。
「えっと……敦盛さんはここでする事に異論がないっていう意味ですか?」
「やはり、貴女は私に抱かれていた事が……嫌だったのだろうか?」
と敦盛から問われた、否、確認をされた望美は絶句した。
そして、その様な望美の反応も予想していた敦盛は淡々とした口調で確認した。
「確かに貴女は夜でも恥じらうし、体力的に問題が無くとも一夜に一度だけだと言うだろう?」
「ち、違います!」
そう望美は叫ぶ事で敦盛の誤解を解こうとした。
故に、敦盛は望美の想いを確認する様に問い返した。
「違う?」
「は、恥ずかしいだけです。だって、夜の敦盛さんってヒノエくんみたいだから」
「……それはどういう意味かを教えて欲しいが?」
そう問い返す敦盛の思いを、否、更なる誤解をさせた事を省みながら、望美は率直に応えた。
「だって……行為の最中は何度も私を可愛いとか綺麗だとか躊躇いなく言うし、ああいった行為にも凄く慣れている様に躊躇いもないし……」
「確かに私は貴女以外との経験はある。だが、欲しいと思ったのは貴女だけだ。それだけは理解して欲しい」
という敦盛は望美の率直な言葉を途中で遮り、否、敦盛も率直に答える事で事態を打開しようとした。
故に、望美は躊躇いも迷いもない互いの想いを再確認するように敦盛を誘惑した。
「……私を抱いてくれますか、敦盛さん?」
「ああ、私も貴女を抱きたい、いや、抱かせてくれるか?」
「はい」
敦盛さんの外見と内面は違い、性格は直実で男らしいと思っています。
その為、望美嬢との関係も互いに求めて求められるという関係かな、という思いからこの様になりました。