景時と望美は結婚したが、望美は景時から抱かれないという、新婚ではありえない夜への不満が積もっていた。
そして、それを率直に告げたり、策の用意もしたが、景時は望美の不満から逃げていた。
故に、望美は白龍に頼んで「襲わないと出られない部屋」に景時と閉じこもる事で不満を解消しようとした。
「どうして、こういう事を白龍に頼むかなぁ……」
そう景時はぼやいたが、状況を説明した望美は逃げ場を奪う様に、一択しかない選択をするように迫った。
「この策には朔も同意してくれましたから、観念して景時さんは私を抱いてください!」
「いや、望美ちゃんの望みなら叶えたいけど、出来る事と出来ない事があってね?」
と問い返す景時は、此処に至っても望美から逃げる事しか選択しなかった。
故に、望美は率直かつ景時の逃げ道を塞ぐ様に問い返した。
「なら、私は景時さんにとっては抱く価値もない、形式上だけの妻なのですか?」
「そんな事ないよ! 俺が愛しているのは望美ちゃんだから!」
「じゃあ、抱いてください」
そう望美からあからさまに誘われて、逃げ道も立たれた状況でも、景時は逃げる為に足搔いた。
「……俺って意外としつこくて執念気質だし、一度暴走すると止まらないし、止められないと思うんだ。すると、初めての望美ちゃんにかなり無理を強いると思うけど……それでも良い?」
「はい、私は景時さんに抱いてほしいです」
という望美の願い、否、想いから逃げられないと思った景時は一時撤退を選んだ。
「……うん。有り難う、望美ちゃん。じゃあ、抱くのはこの部屋から屋敷に戻ってからで良いよね?」
「駄目です」
「え?」
「朔からの強い助言として、この部屋を出るまでに一度は契れと言われました」
そう望美が告げた為、景時は一時撤退も出来ない状況だと悟り、望美も満面の笑みで絶句する景時に最後通牒を突き付けた。
「だから、今から抱いてくださいね、景時さん?」
「ぎ、御意~」
景時さんも望美嬢への純な想いから触れられないか、強引に触れすぎるか、の両極端だと思っています。
なので、今回は全年齢仕様として純な景時さんと強引な望美嬢となりました。