青学の柱との喧騒

静華が『不二から離れろ』と言った少女達に、倍返し以上の喧嘩を返した事を知った手塚は叫んだ。

「グランド100周だ!」

そう叫ぶ手塚のオーラは魔王以上に威圧的だったが、静華はいつもと変わらぬ口調で答えた。

「私はテニス部員じゃないぞ」

「ならば学生会会長としてだ」

「生徒会の役員でもないぞ」

「藤原も青学の生徒だろう!」

「卑怯だぞ、手塚!」

あくまでも徹底抗戦を続ける静華に対して、手塚は威圧的なオーラを変える事無く溜息を吐いた。

「そんなに嫌なら騒動を起こすな」

「今回の喧嘩はあちらから売ってきたんだ」

そういう静華に対して、手塚は先程以上の威圧的かつ反論を許さないオーラを発した。

「それを不二と一緒に買ったのは藤原だろう!」

「……もう、この辺で止めたらどうだい、静華。100周くらい、君なら楽勝だろ?」

そう不二が珍しく仲裁に入ったが、静華はあくまでも徹底抗戦の構えをみせた。

「私は権力に屈したくないんだ!」

「ならば、幼馴染み殿に話を通そうか?」

そう言った手塚に対して、先程までの勢いを嘘だと思わせる程、素直に静華は謝罪した。

「……すまない、手塚。秀一郎にはしばらく内緒にしてくれ」

 

 

 

ジョーカーを切られた静華が、素直にグランドを共に走っている事に対して、不二も素直に笑った。

「ははは、さすがは青学の母。さしもの静華も頭は上がらないようだね」

そう言われた静華は心底悔しそうに眉を寄せた。

「くそう。手塚だけなら何とか攻略できたのに……」

「手塚相手にあそこまで言える静華の方が凄いよ」

「みんな、秀一郎の恐ろしさを知らないからそんな事が言えるんだ」

そう断言する静華は走る速度を変える事なく身震いをした。

 

 

 

不二と静華がレギュラーのランニングの平均速度以上の速さで走っているにも拘らず、普通に話している事にさすがの海堂も驚きを隠せなかった。

「……藤原先輩と不二先輩、相変わらずだな。あんな速度で普通に会話できるとは」

そう言う海堂に対して、桃城も素直に同意した。

「ありえねえな、ありえねえよ」

そう驚く周囲に対し、ラケットを持たない河村は指示を仰ぐように手塚に問い掛けた。

「良いのかい、手塚?」

「会話だけならば問題はない。問題があれば大石を呼べば済む事だ」

 

 

 

 

 

再びテニプリキャラとオリキャラの対立となりました。

はい。相変わらず色恋沙汰が全く関わらない小話です。

ただ、青学でも色恋沙汰を書きたいのですが……何故、書けないのでしょうか(遠い目)