ヒノエと恋人となった望美はただ抱かれる日々が多い事が不満だった。
否。
抱かれる事は嬉しいが、望美はそれだけではないヒノエとの時間も欲しいと思った。
故に、白龍へ「何もしないで一夜を過ごすと出られる部屋」を願って一緒に閉じ籠った。
「何もしない、ねぇ」
そう望美から状況を聞かされたヒノエは不機嫌な表情で答えた。
故に、望美はただ率直に自分の想いを理解して欲しいと思った。
「駄目かな?」
「いや、夜の負担を減らす事は我慢が出来るけど、全く触れられないなんて拷問だと思わない?」
「ヒノエくんに抱かれる以外の思い出が欲しいと思う事が駄目なの?」
「こうやって互いに触れる事も出来なくなっても良いと言うのかい?」
と問い返すヒノエから望美は強引にキスをされそうになった為、望美はヒノエを拒絶する様に頬を叩こうとした。
だが、ヒノエはそれも予想していた為、望美が叩こうとして挙げた手を拘束すると強く抱き寄せた。
「放して!」
「俺は望美を選び、望美も俺を選んだ。違うかい?」
「じゃあ、ヒノエくんは身体を繋げていれば、それ以外はいらないの?」
そう望美から問い返された、否、ヒノエへの強い想いと願いを察したが故に、ヒノエは自身の言動を省みて望美の願いを叶える事で応えようと思った。
「……悪かった。確かに抱く以外にも愛情表現を怠っていた事は謝罪するよ。でも、望美が愛しすぎるから触れたくなるし、俺を望んで欲しい。そう想う事は許してくれるかい?」
「うん……私もヒノエくんに触れられるのは好きだから」
と望美が満面の笑みで答えた為、ヒノエは自身の欲をポーカーフェイスで上手く隠しながら、いつも見せる不敵な笑みと共に問い返した。
「じゃあ、この部屋から出たら『で―と』をしようか、望美?」
「絶対だよ、ヒノエくん!」
「ああ。夜にも期待してくれよ?」
そうヒノエが意味深で艶に満ちた笑みを見せた為、嬉しくもある意味で変わらない言動に対し、望美は少しだけ憤った思いから抗議しようとした。
故に、ヒノエはあえて触れるだけのキスを仕掛け、そのキスから真摯な想いを感じた望美はそのキスと込められた想いを受け入れた。
ヒノエくんが相手だと望美嬢は他のCPよりも純になりました。
ただ、互いに一歩も引かないかな、とも思っていますので、このような展開になりました。