王との取引に成功したアイリーンにカーティスは愛人宣言をしてから暗殺業を辞めた。
そして、名実ともにアイリーンを独占したカーティスの言動はあからさまだった。
また、アイリーンもそれを許容し、愛人宣言から数年でカーティスの子を妊娠した。
それ故にアイリーンは逆プロポーズをしたが、カーティスは答えずにただ問いを返した。
「貴女の夫となれるのは僕だけの特権ですよね?」
「……」
「だって、僕は貴女の愛人で貴女の身に宿った子の父親ですから」
そう語るカーティスはアイリーンが妊娠した事実を喜んでいるように思えた。
だが、アイリーンの逆プロポーズをカーティスは聞き流していた。
それ故に、アイリーンは単刀直入に意図と想いを確かめた。
「……私は返事を聞きたいんだけど?」
「では、僕にプロポーズをされたくない、と?」
というカーティスの言動でアイリーンはただ怒りを爆発させた。
「だから、私はあんたに逆プロポーズをしたでしょう!」
「ええ。確かに僕と結婚したいと言いましたね?」
「だから、普通はイエスかノーだと答えるでしょう!」
「そんなに『普通』が好きなんですか?」
そうカーティスに問い返されたアイリーンは大袈裟に肩を落としてから溜め息を吐いた。
「……あんた相手に聞く方が間違っていたようね」
「では、僕を選んだ事を後悔しているとでも?」
と問われたアイリーンはただ驚きと喜びから目を見開いた。
そして、その言動を勘違いしたカーティスは物騒な色を宿した瞳のまま頬を紅く染めた。
「いくら貴女でも後悔していると言われたら、殺したくなりますが……ただ、貴女の場合はただ殺すのではなく、僕以外がどうでもよくなるくらいの虜にするのも良いですね」
「……カーティス、私と結婚する意志があると思って良いの?」
「……確かに僕からプロポーズをしたのは今日が初めてですね。僕は結婚に興味が無かったので。でも、子供が出来るなら父親を名乗るのは当たり前だと思いますから」
そうカーティスから望む答え得られたアイリーンはただ感謝する様に抱きしめた。
しかし、カーティスは否定ではないと思わせる優しい仕草でアイリーンから離れた。
「ダメですよ、誘惑しないでください。僕も貴女を抱くのは好きですけど、今はダメなんですから。ですから、今は僕も我慢します……ええ、我慢なんてイヤですけど、貴女と僕の子の為ですから、出来るだけ我慢します」
「カーティス……」
「あ、でも、抱く以外でも互いの欲求は解消できますよね……今から試してみませんか?」
というカーティスの無神経な問いで再びキレたアイリーンは室内に有る物を投げつけた。
しかし、カーティスは器用に避けながら『これが初の夫婦喧嘩ですね』と言った。
それ故に、アイリーンの怒りは止まらなかったが、カーティスにキスされると止まった。
否、カーティスを愛して理解しているが故に、アイリーンは許容を示す様に受け入れた。
このプロポーズの騒動後、カーティスは愛人宣言をやめて父親宣言をする事となった。
初のアラロスはカーティス×アイリーンでした。
このCPは書きやすいのですが……CPの略称がわからずに困りました。
いえ、ゲームのコンプが出来て、いざ二次を書こう!と思ったら……ブームも過ぎていた状況だったので(遠い目)