「嫉妬は要求するもの?」柚木VS香穂子

コンクールで総合優勝し、学院の危機を救ったクリスマスコンサートを成功させた日野香穂子は、実家のお家騒動で音楽を断念させられそうになった柚木梓馬と、クリスマスに恋仲となった。

そして、柚木と香穂子の恋愛は様々な事情から秘密な関係であったが、香穂子はそれを肯定し、柚木は二人の時は何も隠す事はなかった。

だが、香穂子にはただ一つだけは不満があった。

それは、柚木が香穂子の異性の友人も含めて交友関係に寛大な事だった。

はじめはコンクールとアンサンブルを通じて親しくなった仲間との交流を受け入れる柚木の態度は良かったが、あまりに寛大すぎたが故に香穂子は不審を抱いた。

その結果、香穂子は柚木へと率直に尋ねるまで追い詰められた。

「どうして、柚木先輩は嫉妬をしてくれないんですか?」

そう香穂子から問われた柚木は、香穂子が思い詰めている事は察したが柚木はその理由がわからなかった。

否。思い当たる事が無さ過ぎた柚木には香穂子の苦悩が唐突すぎた。

「どういう意味だ?」

「だって、今日の放課後も月森君と合奏をしますから、下校は遅くなるんですよ?」

「今日も俺は火原と一緒に図書室で勉強するつもりだから問題ないだろ?」

と柚木は香穂子の問いへ単純に問い返したが、それ故に香穂子の表情がなくなった。

それでも、柚木は香穂子の苦悩が理解できなくとも、香穂子が悩む必要がない意思を示す様に柚木は答えた。

「俺は月森の性格も音楽に対する思いも知ってるし、おまえのヴァイオリンへの情熱も知ってる。なら、合奏する事はお前にもプラスになるくらいは理解が出来るさ」

「……」

「……親衛隊や周囲に秘密の関係である事が耐えられないのか?」

そう問うたのは、唯一思い当たった、否、柚木が不安でもあった事を、無言となった香穂子に確認した。

すると、柚木の不安が問題ないというように香穂子は即座に否定した。

「違います!」

「なら、いい。だが、月森との合奏が嫉妬させる事を目的とするなら、月森に謝罪すべきだ」

という柚木の発言は、無言となった香穂子の表情を完全に消した。

そして、柚木が気付かない、否、本当に理解してくれないと思った香穂子は最後通牒を突き付けた。

「本当に、嫉妬もしてくれないんですね」

「だから……」

そう柚木が反論しようとした時、表情も消えていた香穂子の感情が爆発した。

「我が儘だって、わかっています! でも、二人の時に嫉妬ぐらいして欲しいって思う事も駄目なんですか!!」

「香穂子……」

と柚木が香穂子の名を告げた為、香穂子はこれ以上聞きたくないという意思表示をする様にただ主張を続けた。

「わかってます、わかっています! でも、理屈じゃないんです!! それなのに……柚木先輩なんて、大好きです!!!」

「……大丈夫か、あいつ」

そう柚木は香穂子の苦悩と暴走の理由に気づかないままにただ心配した。

そう。柚木はこの様な暴走を厭うどころか、ただ気遣いを考えるくらい香穂子に溺れている自分を苦笑った。

「しばらく顔も見せに来ないだろうな……なら、こっちから会いに行ってやるか」

と柚木は軽く考えていたが、暴走した香穂子に協力する者がいた為に逃げ続けられた。

結果、数日で噂にも疎い月森でも知る程度に柚木と香穂子の仲が険悪となった。

 

 

 

 

 

初めてコルダの二次創作を書いてみました。

そして、コルダのファーストとして選んだCPは柚木梓馬×日野香穂子で、オールキャラな嫉妬に関わるお話です。

完全に趣味満載なお約束なネタと展開ですが、最後までお付き合頂ければ幸いです。

また、コルダはコンクール優勝でED、コルダ2は柚木先輩の連鎖ルートでED、を想定した捏造設定です。