キスしないと出られない部屋 ~九郎×望美~

「つまり、この部屋から出るには接吻をしなくてはならない、か」

そう九郎は望美が望んで白龍が用意した部屋の退室条件を再確認してから溜息を吐いた。

その溜息を誤解した、否、九郎の昏い想いを見抜けない望美は、ただ自身の不安を確かめる様な問いを言葉にした。

「やっぱり、私では不足ですか?」

「俺も望美を抱きたいと思っている……!」

と九郎が望美の不安を払拭しようと自身の正直な想いを吐露したが、あからさま過ぎる言葉だと思った九郎が意図的に望美から視線を逸らそうとした。

だが、九郎の率直で深い想いを知った望美はまっすぐな視線と共にと確認した。

「本当ですか?」

「このような事で嘘を言ってどうなる。だが……このような部屋に閉じ籠ろうとするくらい追い詰めた事は詫びるが、俺には無理だ。諦めてくれ」

そう九郎が望美への想いを告白は出来ても行動には出来ないと拒絶すると、望美は満面の笑みで事態を解決しようとした。

「じゃあ、私からします!」

「もっと駄目だ!」

「じゃあ、弁慶さんに用意してもらった媚薬は女でも良いそうなので、私が飲みます」

という望美の宣言を聞いた九郎は、弁慶の薬の確かさを知るが故に慌てて媚薬を取り上げた。

「だ、駄目だ!」

「じゃあ、どうすれば九郎さんが私に触れてくれるんですか?」

そう望美が問うと、九郎は急に互いの距離を近づけてから唇を重ねた。

「……これでいいか!」

「はい……」

「望美?」

「嬉しいです、有り難うございます、九郎さん」

という望美の欲が宿った瞳に魅了された九郎は、互いの欲を認める様な確認をした。

「……この媚薬を飲んでも良いか?」

「え?」

「だめ……か?」

そういう九郎の想いを、否、望美も互いの欲も察したが故に艶やかな笑みと共に応えた。

「いっぱい愛してください、九郎さん」

「ああ。愛してる」

 

 

 

 

 

純で両片思いな雰囲気からいきなり艶やかな展開に九郎×望美はなると思っています。

なので、いかに全年齢風に仕上げるかに苦労しました。

また、2019年11月30日まではこの小話を含む小説の通販を受け付けています。