キスしないと出られない部屋 ~将臣×望美~

望美が白龍に頼んでキスをしないと出られない部屋を用意して連れ込んだと聞かされた将臣は無言で距離をとった。

それが将臣の答え、否、色恋に関する経験値に差が有るが故に触れる事も躊躇っていると察していた望美はただ苛立った。

それ故に、望美は将臣よりも経験が少ない事を誤魔化さずに直球で想いを叫んだ。

「私は今、目の前にいる将臣くんも好きなの。だから、経験の差なんて理由で躊躇われたくない!」

そういう望美の想いを察しているが故に、将臣は距離をとったまま溜息を吐いた。

「そう言ってる時点で理解出来てねぇよ、男の事情も」

「この時代でも生きた将臣くんでも女から誘うのがダメだっていうの?」

と望美に言われた将臣は、衝動的に距離を近づけると互いの瞳を見つめたままで唇を重ねた。

故に、望美は将臣の行動に驚きから瞳を見開いた為、将臣はキスを仕掛けたとは思えぬような冷たい視線を向けた。

「この程度で……!」

そう将臣が望美の決意を冷ややかに非難しようとしたが、その言葉を遮るように、否、望美の決意を思い知らせるように将臣に深いキスを仕掛けた。

「これでも?」

という望美の挑発に対し、将臣は昏くも激しい炎を宿した様な瞳と共に問い返した。

「……誰相手に練習した?」

「嫉妬してくれる?」

「誰かって聞いてるだろ!」

「朔に言葉で教えてもらっただけだよ」

そう望美がまっすぐな視線と共に答えると、将臣はあからさまに肩の力を落としてから俯いた

。そして、その様な将臣の反応も想定していた望美はただまっすぐに見つめていた為、将臣は望美の決意を甘く見積もっていた事も謝罪する様に降伏した。

「……わかった。これからは俺が教えるから、もう俺以外を頼るな」

「うん。信じてるよ、将臣くん」

と答えた望美は満面の笑みを将臣に見せた。

また、望美に降伏する前の将臣はその様な笑みが可愛いと思っていたが、その笑みの強かさに気付いたが故に、将臣は望美との距離を更に近づけて深める事を考えはじめた。

 

 

 

 

 

経験差で触れられない将臣くんと触れられたい望美嬢は書いてみたいと思っていました。

なので、小話以上に書きたくなりました(苦笑)

また、2019年11月30日まではこの小話を含む小説の通販を受け付けています。