カーティスの子供を妊娠したアイリーンがプロポーズをした際、カーティスはアイリーンに父親になる宣言をした。
だが、プロポーズの返事もなかった為、アイリーンはカーティスに強制的に言わせる為の準備をチェイカとしていた。
「あんな単細胞に父親が務まるなんて思えません!」
そう断言をするチェイカは、未だにカーティスとアイリーンの関係を認めていなかった。
だが、アイリーンはカーティスの意気込みがある事を主張する様なフォローをした。
「あれでも、努める気は有るみたいよ?」
「そうですねぇ。男か女かもわからないのに、どちらが産まれても困るくらいのベビー用品であふれかえっていますから」
とアルメダが言う様に、父親宣言をしたカーティスはアイリーンの元へ戻るたびに大量のベビー用品を持ち込んでいた。
結果、シンプルといえたアイリーンの私室はベビー用品に占領されていたが、再び現れたカーティスは挨拶をしながら新たなベビー用品をアルメダに渡した。
「いやだなぁ、そんなに褒められてもあげませんよ?」
「そんな勘違いをするから、プロポーズも出来ないのでしょう!」
「あれ? 僕からプロポーズしていませんでしたっけ?」
「父親になる宣言はしたけどね」
「ああ。だからあんな部屋を用意されたんですね」
そうカーティスがいまだに衰えぬ情報戦での強さを思い知らされたアイリーンは驚き、チェイカは舌打ちをしたが、何も知らないアルメダはただ疑念を言葉にした。
「あんな部屋?」
「僕が求婚しないと出られないという設定の部屋ですよ。てっきり親密度を急激に上げるために作ったのかと……」
というカーティスの問題発言を止める為、アイリーンは実力行使で強引に遮った。
「親密度とか、そんな事を言わないでよ、カーティス!」
「そうですね。親密度なんて不要なくらい、僕達は相思相愛ですからね。ですが、強引にプロポーズを求めるのは普通なんですか?」
そうカーティスから指摘をされたアイリーンは言葉を返す事に戸惑ったが、すぐに素直に言えなかった率直な思いをあえて言葉にした。
「ただ、私はカーティスからプロポーズをして欲しいと思っただけよ!」
「……駄目ですよ。安定期になったと言っても、激しい行為は出来ないんですから、僕を誘惑しないでください」
というカーティスの答えは、アイリーンの乙女心も願いも全く理解していないと思える通常運転な奇人思考だった為、アイリーンとチェイカはあっさりと最後通牒を突き付けた。
「「捨てろ」」
「嫌だなぁ、今更、僕が貴女を手放すなんてしませんよ?」
そう問い返したカーティスが最後通牒も曲解した為、怒り狂ったチェイカをアルメダが抑え、アイリーンはただ深い溜息を吐いた。
今回の○○は求婚です。
タイトル的にはカーティスとアイリーンが部屋に閉じ込められるべきだと思いました。
ですが、カーティスが出口のない部屋に入るように仕向けたり、情報戦で仕掛ければ事前に部屋ごと潰されるかと思った為、特殊な部屋の存在にカーティスが気付いたら、という小話となりました。