○○しないと出られない部屋(ユリアリ)

いきなり出口のない密室に入れられた壁の貼り紙に書かれている「○○をしないと出られない部屋です」という言葉の○○を安易に想定したユリウスは怒り、アリスはただ考え込むような真剣な表情で貼り紙を見ていた。

「こんな非常識な部屋などに居られるか!」

「……監視カメラとか有るから?」

そうアリスが問い返すと、ユリウスは信じられない者を見る様に瞳を大きく見開いた。

そして、その様なユリウスの心境、否、怒りを理解していない様な言動をアリスは続けた。

「じゃあ、やっぱりユリウスはあの乱雑な部屋が好きなの?」

「……」

「それとも一人用ベッドの方が……」

とまで言われた、否、誘われたユリウスは、真剣な表情でアリスに確認という名の問い返しをした。

「……アリス、この部屋を出る条件を理解しているのか?」

「だって、領主でも勝手には出られないでしょう?」

そうアリスに言われたユリウスは、その事実を認めたくなくも、否定をする事もなく、ただ沈黙した。

故に、アリスは満面の笑みでユリウスの言動を喜んだ。

「ありがとう、ユリウス」

「今の私はただの無能な領主だ」

「私はユリウスの気持ちに感謝したの。それに、ユリウスとなら問題ないし」

というアリスからの明確な意思表示に対し、ユリウスもその誘惑を受け入れるように互いの距離を近づけた時、いきなり密室の壁が壊され、不審しか感じさせない笑顔のエースが現れた。

「やあ、ユリウスにアリス! ここはずいぶん変わった部屋だね。時計塔を改装したの?」

そういうエースの登場でユリウスは問題が解決したと思い、この国の非常識さに慣れてしまったアリスはただ脱力した。

そして、その様なユリウスとアリスの言動を理解が出来ない、否、この部屋の事にも気付かないエースはただ二人に状況確認を求めた。

「どうしたんだ、ユリウスにアリス?」

「開いたわね」

「ああ。この部屋から出られるな。帰るぞ、アリス」

「ええ。あと、エースが時計塔に用事があるなら道案内はするわ」

というアリスは、意図がわからずとも密室から脱出できた礼としてエースに提案したが、なぜかユリウスは桃色の雰囲気があったとは思えぬような、冷たくも怖い冷徹さを感じさせる雰囲気で問いかけた。

「エースに対して、ずいぶんと優しいな、アリス?」

「だって、エースの乱入で出られたからだけで、他意はないわよ?」

「そうだぜ、ユリウス。あの夜は一夜の過ちで、あれから二人の許可なしにアリスに触れていないだろ?」

そうエースが過去の問題、否、現在も続く問題をさらりと言葉にした為、ユリウスは怒りながらもアリスを守るように抱き寄せた。

「お前の許可は事後承諾ばかりだ!」

「……帰りましょう、ユリウスにエース」

とアリスはこれ以上の混乱、否、泥沼を避ける為の提案をした。

故に、ユリウスはアリスの意図を受け入れたが、エースはただ駄々をこねる子供の様な主張を言葉にした。

「……わかった」

「えー、楽しい事を止めるなんて、本当に君は意地が悪いよ」

「帰りましょう、ユリウスにエース!」

そうアリスが最後通牒の様に満面の笑みを浮かべながら強硬に主張した。

故に、ユリウスはアリスの笑みの意図を正確に理解し、ただ子供の様に駄々をこねるエースを強引に引き摺りながら時計塔に戻った。

「時計塔に戻るぞ、エース!」

 

 

 

 

 

今作の○○は乱入でした。

正確に書けば他者を含めた乱入が条件ですが……このネタを思いついた際、ユリアリしかないでしょ!と思いました!!

いえ、ハトアリのEND2に至るエースの乱入と受け入れてしまうユリウスとアリスには……すごく萌えたので。

なので、同じ萌えがある方の挙手をお待ちしています!

また、2019年11月30日まではこの小話を含む小説の通販を受け付けています。