ユメ

鋼の錬金術師というコミックに出逢い、ロイ・マスタングに恋をした

ロイ夢を読んだり書いたりするだけで良いと思っていた

でも、ロイへの一途な想いが『真理』に興味を抱かせた

『現在』を棄てる覚悟があるなら逢わせてやると『真理』に言われて頷いた

そして私は今、ロイ・マスタングと『同じ世界』の『人間』として出逢った

 

突然、東方司令部のロイの部屋に現れた少女にホークアイは拳銃を向ける。

同時にハボックはロイの盾にならんと姿勢を正す。

ロイは有事に備えて発火布を取り出した。

「黒髪が麗しい殿方がロイ・マスタング大佐。銃を構える姿がさまになっている麗人がリザ・ホークアイ中尉。咥えタバコ姿が愛らしい殿方がジャン・ハボック少尉ですね」

「「「……!」」」

 

 

 

貴方と共にある為ならばどんな事でも耐えられる

貴方が野望を成し遂げる為の踏み台でもかまわない

ただ、私が思う貴方への気持ちを貴方の心の中に刻んでいて欲しい

 

「私を部下にしてください。今、私を上層部に引き渡しても、貴方にとっては利益など薄いでしょう? ですが、異世界人であり、ここの文明よりも発達している世界にいた私は、大佐さんの役に立てるかもしれませんから」

「……軍も無い平和ボケした少女の知識が役に立つと?」

「大総統を目指されるなら、主義主張は問わず、『新兵器』『新技術』は必要ではありませんか? 幸い、私の容姿ならば、貴方の保護下で『囲っている』と思わせられ、上層部への言い訳にもなりますよ?」

「……随分、口が達者な上に、私に関しても詳しいようだな」

「貴重な人間を、研究しか能が無い人達に渡してもいのですか? 科学者として研究したいと思いませんか?」

「いいだろう。フュリー曹長を呼んでくれ。彼女の知識レベルとやらを確認させてもらう」

 

 

 

私が秘めた貴方への想いと希望に気付いてくれなくてもいい

でも、貴方がそれを知る日がきたら、私はどう思うだろう

 

「本当に告げるつもりはないの?」

「はい。大佐さんの目指すものの邪魔はしません。ただ、側に居させて下さい。幸い、私は真理から錬金術の才も与えられていますから」

「貴女のような人なら『力』がなくても大佐の邪魔にはならないわ」

「え?」

「……大佐は捨てられない人だけど、貴女は自分の身の処し方がわかっているから。例え、大佐がいなくなっても、貴女が死ぬことになっても、貴女に迷いはない、でしょ?」

「……」

「大佐の想いはわからないけど、私は……いえ、私達は貴女の味方よ」

「有り難うございます!」

 

 

 

全てが色褪せていた世界で出合った貴方

でも真夏の夜の夢のように触れられない

ただ出合えた事にただ喜ぶだけで足りず、貴方という存在に触れたい、と

そう、ロイ・マスタングという存在に、私は焦がれた

 

「どうしてこの世界で生きる事を選んだんだね?」

「……」

「その想いも記憶も代価となって失ったのか?」

「いえ、違います。ただ、知って欲しかったんです、私という存在を」

「知る?」

「私という人間に生きる意味を持たせてくれた人に」

「……」

「大佐さんが私の体を実験台にする事には協力しますけど、心は無理ですよ?」

「そうかね。女性の扱いには自信があったのだが」

「その自信が嫌われる原因だって気付いていないんですか?」

「女タラシは嫌い、かね?」

「大佐さんは好きですよ。私の『保護者』ですから」

 

 

 

どうして私は貴方への想いくらいの記憶しかないのだろう

この世界の事は熟知していた筈なのに、事件が起こってからしか思い出せない

 

「君が気にすることではない」

「でも!」

「確かに君は『知っていた』のかもしれない。だが、『知っている』だけでは変えられない」

「例え、君の全てを暴いて未来を知ることが出来ても、私は幸せになれない」

「……」

「確かに君との出逢いは悪かったが、今は君を離すつもりはない」

「大佐さん……」

「安心していい。君は私にとっても失いたくないくらい大切な存在だ」

「……有り難うございます。私、凄く嬉しいです」

 

 

 

ある時『真理』が私に尋ねた。ロイ・マスタングと共に生きたくないか、と

その代価として全てを棄てる事を求められた私はただ頷いた

 

「私が『鋼の錬金術師の世界』に行けるの?」

「それを決めるのはお前だ」

「……」

「だが、その為にお前は全てを失う。すべて、な」

「私に断る理由なんてない」

「へえ、お前をそこまで育てた両親や親しい人を残しても?」

「……私の事は私が一番知ってる」

「そりゃあスゲェな。ま、もらった代価分の仕事はキッチリしてやるよ」

 

 

 

そう……『真理』によってこの『世界』を選んで介入した時

この『世界』で生きていくと決めたのに

この『世界』に存在しているうちに忘れてしまった

 

「……真理だって?」

「ええ。私は真理に代価を払ってこの世界にきた異世界人よ」

「どうやって真理と出合ったんだ?」

「それも思い出せないんだ。それもこの世界で生きる為の代価だったみたい」

「……」

「ごめん、今の私はエド君の役に立てなくて」

「いや、だってお前は大佐に逢いたくて……」

「……」

「あ、ごめん」

「いいの。現状には大満足してるから」

「……」

「有り難う、エド君。やっぱりあなたは優しい人だね」

 

 

 

私が生きる意味となった貴方

その貴方が住む『世界』で『生きる』事が出来た

でも、同じ世界に居ても『私』と『貴方』は違う存在だった

だからこそ貴方が欲しくて、私と恋をして欲しかった

そして、私の側で安らぎを感じて

 

「……その釘付きのバットと拳銃は……」

「大佐さんが仕事をサボらないように見張って、と……私、頼まれると断れないんです」

「ならば……」

「ダメです」

「頼まれ事に弱いんだろう?」

「お仕事をサボられる事に協力はしませよ? あ、釘付きバットはエド君からのプレゼントです。けっこう痛いみたいですよ、これ」

「……」

「私と会話して頂けるのは嬉しいですけど、お仕事も片付けてくださいね」

「……君はホークアイ中尉以上に補佐官が似合いそうだな」

「誉めて頂けるのは嬉しいですけど、その書類の決裁はあと数時間です」

「……」

「お仕事が終わったら、就業時間中でも休めるようにホークアイ中尉に頼みますから頑張ってください」

「では、君の優しい提案に従うとするか」

「はい。有り難うございます」

 

 

 

 

 

以前にエープリルフールの期間限定でUPしたトリップ夢の名前変換無し小説をUPしました。

以前はある歌詞の一部を鋼仕様に再構築したものをUPしていたのですが、今回は参考にした歌詞の全てを再構築し、適当に順序を入れ替えてUPしてみました。