想いを捧げたあなたが、わたくしを望んでくれた。
それは『王女として生きること』を選んだわたくしの決意を覆すほどに嬉しかったですわ。
でも、それが『わたくし』の選ぶべき『答え』だとは多分、いえ一生、わかりませんの。
それでも、わたくしは何度でも選びますわ。
あなたと共にいる未来を。
「姫!」
「やっと追いついた……」
そう叫びながらわたくし達に前に現れたメイとシルフィスに驚きましたわ。
いえ、わたくし達を止める為に現れたにしてはタイミングが良すぎて非力でしたもの。
わたくしだけなら、メイとシルフィスを歯止めとするのも、理解が出来ますわ。
だから、二人の意図を確かめるように、短くも問いかけようとしましたの。
でも、臣下の礼を見せる二人は答えず、ただ確認を言葉にしましたわ。
「アルムレディン王子でいらっしゃいますね?」
そう問いかけるシルフィスは相変わらず生真面目で儀礼的でしたわ。
だからこそ、シルフィスの意図がわかりませんでしたの。
しかも、いつもなら余計な事までも言葉にするメイが言葉を口にしないのも不自然ですし。
でも、シルフィスの確認に対し、あなたは短くも肯定しましたわ。
すると、シルフィスはわたくし達を驚かせる『現実』を告げましたの。
クライン王国がダリスに宣戦布告をし、
明日には近隣諸国による大規模な派兵が行われ、
ダリスの正当な王位継承者としてアルムレディン・レイノルド・ダリス王子を支持すると。
「間に合ったかなアタシたち……」
そうメイはいつもの笑みを見せながら、わたくしの問いに応えてくれましたの。
そんなメイの態度とシルフィスの生真面目さが、乾いていた私の瞳を潤ませましたわ。
でも、メイは変わらない快活な言葉で、わたくしの涙を止めてくれましたの。
そして、それでも流れた涙は、隣にいてくれるあなたが拭ってくれましたわ。
……やはりディアーナの独白には四苦八苦させられました(涙)
その所為か、ディアーナの独白SSとなってしまったかもしれません。
小説でのセリフや感情推移はそう難しくないのですが、独白となると……難易度が高くて。
何故か、という理由は思いつきませんが、書きやすくなる方法があれば知りたいです!
そして、次回更新予定のSSは小説となるかと。
ただ、ディアーナというか、ヒロイン三人娘の会話が中心になるかと。
ヒロイン三人娘はある意味で『最強』な為、アルムの出番がないかもしれません(苦笑)
恋愛の10題(11)お題配布元:疾風迅雷