3 手放せない(お題使用1)

初めて名を名乗った時、君は少しだけ驚いていた。

その驚きは僕の名を知ったからではなく、この状況への驚きのようだったけれど。

でも、それを想定していた僕は、女神が与えてくれた機会で後悔しないように告白した。

自分の過去と現況、そして、君への想いを隠すことなく。

 

「……君が好きだ」

と、僕が想いを告げると、君はただ瞳を大きく見開いた。

そんな表情に答えを見つける事が出来なかった僕は、ただ真っ直ぐに君をみつめた。

そして、僕はただおもいを告げるだけでなく、君にも決断を強いた。

「君が決めてくれ、僕と一緒に行くか、行かないか」

「……」

「僕にとっては最後の賭けだ……でも、気遣うことはない。君の答えが何であっても、僕は運命を受け入れることができる」

 

そう告げ終わった時、僕は君の顔が見られなくて、ただ軽く俯いた。

告げた事に後悔も不安もなかった。

いや、僕の想いを告げる機会を得られたことを、ただ女神に感謝した。

だから、君の答えを聞いた僕は、君以上に驚いてしまった。

 

「……ついていきますわ」

と答えてくれた君は、驚きから顔を上げた僕に、清々しくも美しい笑顔をみせてくれた。

そんな笑みにみせられた僕も、不自然にならない程度に、ぎこちない笑顔で君に応えた。

「後悔するかもしれないよ……」

「わたくしが選んだ道ですわ……あなたと一緒に行く道ならば、きっと頑張れますわ」

そうこたえた君の想いと覚悟を聞いた僕は、再確認するように互いの片手を繋いだ。

今度こそ、互いの想いと相反する『現実』に立ち向かえるように、と。

「ならば共に行こう! ここでぐずぐずしてはいられない!」

「はい!」

 

そんな君のおもいが動かしたのだろうか……

いや、君が引き寄せてくれたのだろうか、僕達が共にいられる運命を。

 

「姫!」

「やっと追いついた……」

「2人とも……」

「アルムレディン王子でいらっしゃいますね?」

 

 

 

 

 

今回はアルムの独白と会話が混ざった感じでしょうか?

次回更新SSも似たような感じかと。

あ、次の視点と独白はディアーナ中心の予定です。

今回のSSも書き易かったですが……次回更新SSでも精一杯頑張ります!

 

 

 

恋愛の10題(11)お題配布元:疾風迅雷