1 あなたがほしくてたまらない(お題使用1)

……再び運命がまわりはじめる……

……からからとまわりだした糸車の……

……その先にいるのは……

……あなたなの……

……わたくしの指から……

……あなたに……

 

初めて出逢った時、わたくしはただ泣いていた幼子でしたわ。

でも『あなた』との出逢いは、今でも宝物のように大切な思い出です。

だから『再会』した時、わたくしは『あなた』に気付かなかったのですの。

 

……いいえ、わたくしは気付きたくなかったんですの。

だって、わたくしがあの頃のままでいられた自信がなかったから。

 

今のわたくしの指は、不思議な魔法が掛かった指輪が丁度良くなりましたわ。

でも、花畑と大きな木がある、優しい風が吹いていた森に、わたくしは一度しか迷いこめなかったんですの。

 

今でも、わたくしの王子様が魔界の王子様でないと疑っていた訳ではなく、ただ……

ただ、『再会』を望む心と同時におそれていたのですわ。

あなたとの『再会』に不安を感じずにはいられなかった予感が。

 

だから、女神に誓う事を、あなたに望んだのかもしれませんわ。

女神の降誕を祝う日だからではなく、

嘘に対する天罰を望むだけではなく、

ただ、あなたとの『再会』に女神から許しが欲しかったのかもしれませんの。

 

でも、あなたは最後にも『優しい嘘』を選びましたわ。

わたくしを傷つけたくないからと。

そして『忘れること』を望み、わたくしに『忘れる』と告げて。

 

では、わたくしがあなたを望む心まで

『嘘』だと、

『忘れて』と、

あなたはわたくしに望むの?

 

……例え、あなたがそう望んでも、わたくしの唯一は変わりませんわ。

そう。

わたくしが『王女として生きること』を選んだとしても、あなたの存在は変わらない。

それだけは誰にも譲れない、わたくしの『想い』ですわ。

 

だから、わたくしの『想い』だけは、あなたに捧げますわ。

そして、願う事が許されるならば、あなたに『幸せ』を。

『想い』を叶えられなかった私の分まで、あなたに『幸せ』が訪れますように。

 

……こんな想いは、メイやシルフィスにも言えませんわね。

命懸けの任務で離れていて良かったのかもしれませんわ。

二人が近くにいないから、と。

命懸けである任務に就いている身を心配する事の方が大事だ、と。

そう言い訳をして、わたくしの想いを一所懸命に封じ込められるから。

そして、そう言い訳をするわたくしを、お兄様も見過ごしてくれるから。

 

でも、今もわたくしが切望するのは『あなた』だと告げたら、『あなた』はどう思うかしら。

 

なぜ、一緒に居られなかったのか、

どうして、あの頃のままでいられなかったのか、

想いだけは変わっていないと言い切れるくらい、あなたが好きなのに……

 

ねぇ、教えて、わたくしの王子様。

あなたが告げなかった名が、わたくしに伝わる事に気付かなかった訳ではないでしょう?

こんな事態になる事も気付かないほど、あなたは愚かではないでしょう?

あの『再会』が『約束』していたモノだというの?

 

こたえて。

ダリスの王子様ではなく、反乱軍のリーダーとなったあなたと再会する事になったわたくしに。

アルムレディン・レイノルド・ダリス様……

 

 

 

 

 

ディアーナのメインストーリー第六段階「悲しみの花嫁」のネタバレからはじまりました。

いえ、正確には、メインストーリーを知らないと意味不明なSSかもしれません。

というか、今回のお題を使用したSSは未プレイの方への配慮が足りないモノになるかと。

今までは「未プレイの方でも楽しめるモノを」と思いましたが、今回は変えようかと思いまして。

今回も同じ様なネタと展開なので、あえて趣向に拘ったSSにしたいのです。

アルムディアの本編は、短くも萌えが濃縮されたストーリーだと思っているので、あえて今回はその萌えで直球勝負しようかと。

思いっきり趣味が丸出しなSSになるかと思いますが、お付き合い頂ければ幸いです。

 

 

 

恋愛の10題(11)お題配布元:疾風迅雷