リリーナに帰宅すると言った予定時刻が過ぎる為、ヒイロは連絡方法に戸惑っていた。
正確に言えば、今はリリーナが住むコロニーでは深夜といえる時刻だった為、通話かメールにすべきかを悩んでいた。
「リリーナさんに連絡しなくて良いの、ヒイロ?」
そうカトルから問われてもヒイロは無言だった。
だが、その様なヒイロの言動に慣れている面々は驚かず、ただトロワはカトルに冷静な指摘をした。
「カトル、その呼び方はマズイと思うぞ?」
「でも、リリーナさんはヒイロをそう呼び続けているんだよ?」
「あ、お嬢さんだけからの呼び名だという惚気か?」
とデュオまでがヒイロをからかう様な軽口を始めた為、五飛は冷静に状況を変えようとした。
「これ以上の時間は無駄だ。すぐに連絡しろ」
「……」
「ヒイロは時差を気にして連絡できないみたいだが?」
「メールはダメですか?」
そうカトルはヒイロの事をトロワに聞き、また、トロワもカトルの問いに淡々と答えた。
「声が聞きたいんだろう、ヒイロも」
「なんだ。やっぱり惚気じゃねぇか」
そういうデュオはあくまでもからかおうとしていたが、ヒイロは無反応で、五飛が苛立ちを隠さずに叫んだ。
「早く否定するか連絡するかを決めろ!」
【恋する男の子】5のお題(お題配布元starry-tales)