1その笑顔にいつも元気をもらう

先に起きたヒイロは朝食の準備をしてからリリーナに声をかけた。

「リリーナ、そろそろ起きた方が良い」

「……今日こそ私の方が先に起きようと思っていたのに」

「そんなにオレの寝顔が見たいのか?」

「だって、ヒイロの寝顔が見られるのは私だけの特権でしょ?」

「……なら、オレにはおまえの笑顔は独占させてくれるか?」

というヒイロの問い返しはリリーナに驚きと嬉しさを同時に与えた。

だが、同時に告げられた言葉の意味を確認する様に、リリーナはヒイロに問い返した。

「私を束縛したいの?」

「いや、おまえが笑みを見せる相手が俺だけであって欲しいだけだ」

「……ヒイロって独占欲が強いの?」

「……今のオレが願う事はおまえと共に生きる事だからな」

というヒイロの正直すぎる答えは、リリーナを心地良く酔わせるような甘い囁きだった。

だが、ヒイロは無自覚だと理解しているリリーナは反撃する様に上目遣いで問い返した。

「……それは無欲というのだと思うけど?」

「おまえはそう思っていればいい」

「では、私も無欲になるわ」

そうリリーナがふてくされた様子で答えると、ヒイロはすぐにそれを否定した。

「駄目だ」

「え?」

と問い返したリリーナはヒイロの言葉の意味を理解が出来なかったが、その様なリリーナが愛しいと思うヒイロは微かに微笑みながら耳元で囁いた。

「おまえにはいつも笑っていてほしいからな」

そうヒイロに囁かれたリリーナは不意打ちと言える状況故に耳まで紅く染まった。

しかし、無自覚なヒイロはリリーナの顔が耳まで紅くなる理由がわからなかった。

だが、ヒイロにその理由を告げたくないリリーナは悔しげでも強く抗う様に叫んだ。

「ヒイロは本当にズルイわ!」

 

 

 

【恋する男の子】5のお題(お題配布元starry-tales