リリーナが『リリーナ・ピースクラフト』として戦犯法廷に出頭する直前。
ノインは出頭する『リリーナ』に気遣う様な声をかけようとした。
「リリーナ様……」
「大丈夫です。今は世界国家宣言をした時やOZの武力放棄を宣言した時とは違い、ヒイロが側に居てくれますから」
そうノインに正直な思いを告げたリリーナは、真っ直ぐな視線と共に感謝も言葉にした。
「もちろん、今も平和の為に戦い続けている皆さんの存在も、とても嬉しくも頼もしいです」
というリリーナの決意表明は、誰もが肯定して頼りたくなる強さに満ちていた。
そして、それはノインも例外ではないが故に、ただ敬意を表する様に頭を垂れた。
また、リリーナもその敬意へ答える様に高貴でも穏やかな笑みと共に応えた。
故に、ノインと共にリリーナの隣に居たヒイロは時計で時間を再確認してから告げた。
「リリーナ、時間だ」
「わかりました」
【恋する女の子】5のお題(お題配布元starry-tales)