千鶴の担任だった原田は、現担任からの相談を受けた土方から声をかけられた。
そして、それを隣で聞いていた永倉が口を挟んできた。
「え、千鶴ちゃんの希望進路って永久就職じゃ……」
そう永倉が状況も弁えない発言をしようとした為、土方は鉄拳制裁で黙らせた。
そして、原田も千鶴を想うが故に土方の鉄拳制裁に同意した。
「場所と状況を考えてから発言をしねぇと、また土方さんの鉄拳の餌食になるぜ、新八」
「……馬鹿な同僚はしっかり管理しろ、原田」
「それを言うなら、教頭権限で躾けてくれよ、土方さん」
という原田と土方の会話を聞かされ、同僚としても扱われない事態に永倉は異を唱えた。
「俺は生徒以下だって言う気か?」
「学歴と教員免許だけで先生にはなれないって意味だ」
そう原田が永倉に答えると、土方は相談内容に話を戻した。
「で、千鶴が書いた希望進路がこうなった理由は知っているか?」
「……学力的に手堅い大学を希望しているし、就職したい職種にも問題はないだろ」
「……じゃあ、理由は原田さんか?」
と土方から指摘、否、確認をされた原田は教員ではなく、男の表情で苦笑った。
「本当に土方さんは鋭いな。先日、千鶴とケンカして怒らせたんだよ……」
「……自分が悪いと思ってるなら、この鍵を貸してやる」
そういう土方が渡した鍵が、現在は空いている倉庫の鍵だと気づき、原田は再び苦笑った。
「……本当に土方さんは変わらねぇな」
「感謝は千鶴にしろ。今も昔も、千鶴には世話になってるからな」
「ああ。土方さんにも感謝してる」
と土方に答えた原田は、すぐに教員室から千鶴が待つ倉庫に早足で向かった。
今回は千鶴嬢の出番がない原田×千鶴となりました。
千鶴嬢の出番は入れたかったのですが、無駄に長くなった為にカットにしました。
明日は風間×千鶴+薫の予定です。