失敗しました(平助&千鶴)

千鶴が過去の記憶を思い出した影響を確認する為に山南が定期的に声をかけていた。

そして、今日も山南の配慮に応えた千鶴は平助と共に保健室で雑談にも興じていた。

「では、雪村君は藤堂君と違う大学を選ばれるのですか?」

「はい。平助君が行く大学には希望学部が無いので」

「それに、あいつとは違う大学だしな?」

「平助君!」

そういう千鶴は乙女の恥じらいから平助の横槍を止めようとした。

だが、その様な千鶴の態度が愛らしいが故に、平助は苦笑い、山南は微笑んだ。

「本当に雪村君は可愛いですね」

「山南さん、それってロリコンを主張してる?」

「私も藤堂君と同じ様に雪村君の恋路は応援していますよ?」

という山南と平助の会話、否、冷戦めいた牽制を素直に受け取った千鶴はただ感謝した。

「有り難うございます、山南先生」

「感謝してもらう程ではありませんよ。それに、そろそろ放課後デートの時間ではありませんか、雪村君?」

そう山南が二人の視線を壁時計に向けさせると、千鶴はすぐに退室の言葉を口にした。

「あ……では、私は先に失礼します」

「ああ、楽しんでこいよ!」

「うん。ありがとう、平助君」

と答えた千鶴が保健室から退室すると、山南は厳しい口調で平助に問うた。

「本当に見守るだけで良かったのですか、藤堂君?」

「……千鶴があいつを好きなのは、今も昔も変わらないから」

「そうですか……では、記憶がある事を悔いた事も無いのですか?」

「確かに、あの頃の記憶は辛かったり、苦しかったりもするけど、記憶がある事を悔いた事は無い」

そう平助が率直な思いを言葉にした為、山南も含みの無い笑みでその言葉に同意した。

「私もそれに同意しますし、雪村君には幸せになってもらい、それを見届けたいですね」

「……それは俺にとっても一番の願いかもしれない」

「雪村君は本当に良い幼馴染みを得られたようですね」

という山南の言葉の裏にある感情を直感で察した平助はあえて言葉にして問うた。

「……それって嫉妬?」

「それはノーコメントですよ、藤堂君」

 

 

 

 

 

今回も平助の片想いとなりました。

いえ、平助×千鶴は……どうしても書けないというか、ゲーム本編でのあの青春真っ只中な可愛い二人は書けないし、想像も難しいのです(遠い目)

明日は原田×千鶴が前提の原田&永倉&土方の予定です。