失敗しました(公花)

公瑾と花の婚儀が間近となり、花が不安になっている事に公瑾も気付いていた。

そして、花が公瑾を頼ろうとしない事に不満だった為に、気付かないふりをしていた。

故に、二喬達からからかわれる、否、駄目男の烙印を捺される事態となった。

「ホント、公瑾って駄目駄目だよね」

「そうそう。花ちゃんの不安を解消も出来ないなんて」

「……大喬殿に小喬殿」

「やっぱり、気付いているのに、何もしていないの?」

「だから駄目男なんて言われるんだよ?」

そう二喬から次々と問われた、否、正しい指摘をされた公瑾は白旗を挙げた。

「確かに私にも落ち度はありますが、あからさまで率直すぎる苦言は避けて頂けますか?」

「じゃあ、花ちゃんの不安を解消できる?」

「公瑾が年上なんだから、花ちゃんに甘えるだけじゃなくて、甘やかせてあげてよ?」

と二喬から問われた公瑾が応えに窮して周囲を見渡した時に目を見開いた。

そして、公瑾の視線の先の人物に気付いた大喬は、その人物の名を叫びながら近づいた。

「あ、花ちゃん!」

「私達よりも早く花ちゃんに気付くなんて、公瑾らしかぬ有能さだね?」

そういった二喬はすぐに花に近寄ると公瑾の隣に誘導した。

そして、小喬から問われた公瑾は取り繕った笑みで有無を言わせない表情となった。

「では、二人にして頂けますか?」

「もちろんだよ。でも、婚儀前なんだから、婚前交渉は駄目だよ?」

「そうそう、それ以外の手練手管ならいくらでも使ってよいけどね?」

という二喬の言葉の意味を過去に体験している花は、色々な意味で蒼くなった。

それを察した公瑾はこれ以上の横槍、否、花への干渉を避ける様に二喬の名を口にした。

「大喬殿に小喬殿」

「わかってるって。これ以上のお邪魔はしないよ」

「私達は邪魔じゃなくて、話題を増やしたいだけだから」

そう答えた二喬はすぐにこの場から去ると、公瑾は空いている部屋に花を連れ込んだ。

「……花」

「はい……」

「私の何が不安にさせているのですか?」

と公瑾から問われた花は、ここ数日の頑なさを象徴する様に何も応えなかった。

そして、それも予測していた公瑾はただ花の想いを知ろうと直球で問いかけた。

「出来ればこのように問う事なく、貴女の不安を解消出来ると良いのですが……私には心当たりがないのです」

「……私で良いんですか?」

「は?」

「私が公瑾さんの正妻で良いんですか?」

そういう花の言葉と不安の意味に気付かない、否、今更な問い故に公瑾は目を見開いた。

「なにを今更な事を言われるんですか?」

「だって、私が責任を取る為に付き合ってもらっているだけ、なんですよね?」

「……」

「公瑾さん?」

と花に問われた公瑾はある意味では自業自得だったと状況を察した。

だが、花の恋愛事に関する鈍さと無自覚も察した公瑾は大きな溜め息を吐いた。

「確かに私は「責任を取って頂きたい」と言いましたが、想いを告白したり、求婚もしましたよね?」

そう公瑾が問うと、花は無言のまま、不安と不信を混ぜたような視線を返した。

故に、公瑾も言葉では解消できないと思い、花が望む言動を聞き出そうと問い続けた。

「わかりました。では、どのような愛情表現ならば、信じて頂けるのですか?」

「……」

「それとも、婚前交渉まで行えば、信じて頂けますか?」

と公瑾が告げながら花を抱きしめると、反応が少なかったのが嘘の様に硬直した。

それが初心さ故の反応だと知る公瑾は、あえて言葉を誘導する様に花へと問い続けた。

「おや、やはり私ではご不満ですか?」

「ち、違います!!」

「では、違う提案をしてください。貴女を盲目的に愛している哀れな男に慈悲を頂きたいのです」

「……公瑾さんはズルイです」

そう花が公瑾へ降参する様に答えながら拗ねると、公瑾は意味深な笑みで花に応えた。

「ええ、男は総じて狡いのですよ。で、答えは?」

「……くちづけてください」

と花から強請られた、否、可愛い願いを告げられた公瑾は素といえる笑みを見せた。

それを見た花は公瑾に告げた自身の言葉を恥ずかしがるように俯いた。

しかし、公瑾はすぐに花の頬に両手を添えるとすぐに上向かせてからくちづけた。

「愛していますよ、花」

 

 

 

 

 

公瑾さんに再び挑戦しましたが、やはり乙女都督は難しいです。

ですが、大喬と小喬に遊ばれる公瑾は筆が進みやすいですね!

明日は早安×花の予定です。