失敗しました(孟花)

『曹孟徳』が亡くなり、孟徳と花が共に暮らすようになってから一年。

二人だけの生活を満喫している孟徳は花の隠し事に気付いた。

それ故に、孟徳は家事を終えて休憩していた花を背後から抱きしめた。

「どうしたんですか、孟徳さん?」

「……花ちゃんが隠し事をする理由を聞いても良い?」

そう孟徳から問われた花は、ただ抱きしめられている腕にそっと手を添えた。

その様子から、花は言い辛いだけだと察した孟徳はただ問い続けた。

「……そんなに言い辛い事なの?」

「……わからないんです」

「え……子供が出来た事が?」

「え……子供?」

という花の問い返し、否、孟徳の勘違いとすれ違い故に、孟徳と花はただ驚いた。

そして、ただ驚き続ける花に対し、孟徳も戸惑いながらも確認をした。

「えっと……子供が出来た事が言い辛い事じゃないの?」

「……すみません、孟徳さんの気持ちを疑っていただけです」

「ええっ、俺ってそういう失敗もしていたの!?」

そういう孟徳の言葉から、色々な意味を察した花は満面の笑みでただ名を口にした。

「……孟徳さん?」

「えっと……俺達は夫婦だから、子供が出来てもおかしくないよね?」

「孟徳さん?」

という花の満面の笑みに込められた脅迫、否、強い問いかけに対し、孟徳は素直に謝った。

「花ちゃん、ごめん」

「いえ、私も孟徳さんの想いを疑ったので……すみません」

「でも、俺の想いを疑うなんて、どうしたの、花ちゃん?」

「……孟徳さんに嫌われたくないです」

そう花が暗い表情で俯くと、孟徳は強引に俯いた顔に手を添えてから上向かせた。

「本当に花ちゃんは色恋沙汰には鈍いね。こんなに君を好きな男が目の前にいるに」

「……すみません」

と答えたが、応える事が出来なかった花は、孟徳と交わっていた視線も外した。

その様な花の態度に対し、孟徳は気分を害する事なく、ただ満面の笑みで提案をした。

「……そうだね。行動では示してきたから、言葉が足りないって事かな。じゃあ、今日から朝の挨拶は告白にしようか」

「え……」

「それだけでも足りないのか……じゃあ、夜の時も……」

「ち、違います! 違いますからやめてください!!」

そう花は孟徳の大暴走、否、意図的な強引さを止めようとした。

すると、大暴走な提案をしたとは思えぬ程に冷静な口調と視線で、孟徳は花に問いかけた。

「じゃあ、疑った理由とかきっかけを教えてくれる?」

「……昨日、お隣に越してきた女性は綺麗でしたよね?」

「確かに俺も綺麗だとは言ったけど、花ちゃんよりも好きなった人はいないよ?」

という孟徳の率直な問い返しは、未だに初心なところがある花には強すぎる想いだった。

そう。ただ、花は孟徳の言葉が嬉しくも、それを言葉にする事が出来なかった。

そして、その様な花の言動も理解した上で愛しくも想う孟徳はただ微笑んだ。

「嫉妬は嬉しいけど、勘違いはダメだよ?」

「え……嫉妬が嬉しいんですか?」

「だって、俺が好きだから嫉妬をしてくれたと思えば嬉しいよ。でも、俺の想いを疑うなら……お仕置きするよ?」

そういう孟徳の問い、否、最終確認をされた花は思い出したくない過去がよみがえった。

そして、その過去のお仕置きを思い出した花の思いを察した孟徳はただ微笑んでいた。

故に、花はその笑みの裏にある、否、表情からも読み取れる想いを察して蒼くなった。

「お仕置きって……」

「うん。お仕置きモノだよ、俺の想いを疑うのは」

「……私が悪かったです、すみません」

「じゃあ、仲直りだね?」

と問いかけた孟徳は、ただ微笑みながら花を抱き上げると寝台へと連れて行った。

その行為の意味とその後を知り過ぎている花は、確認という名の回避を試みようとした。

「……孟徳さん、今、まだ昼ですよ?」

「うん、そうだね」

「……お仕置きはナシですよね?」

そう花が回避をしようとする事も察していた孟徳は、ただ微笑みながら問いを返した。

「お仕置きの方が好きなの?」

「……孟徳さんが意地悪です」

「好きな子に意地悪なのは男の性だよ。だから、俺に愛されて?」

「……私も好きです、孟徳さん」

と応えた花は、観念したように唇を重ねてきた孟徳を受け入れた。

また、それも予定調和だった孟徳は、ただ花を深く求めながらも激しく愛した。

 

 

 

 

 

孟徳さんはどうしても全年齢なネタだけで書くのが難しい方です。

でも、丞相な孟徳さんには燃えがメインになるので、萌える恋愛モードで仕上げました。

……ええ。丞相な孟徳さんには色々と燃え中心な複雑ない思いが有るので。ええ……

明日は文若×花の予定です。