ラヴコレ2017秋の新刊サンプル(薄桜鬼)

2017年11月5日ラヴコレクション2017 in Autumn(東京流通センター)

参加サークル名:焔の翼(スペース番号:か03)

 

チャイルド・パニック!(薄桜鬼・ひじちづ)

A5/コピー/12P/100円

 

土方は子供が嫌いだと知った千鶴が落ち込んだと斉藤から聞いた沖田が
土方の子を千鶴が妊娠した所為だと断言をした所為で騒動となり……
『恋する副長と天然男装乙女』と同設定ですが未読でも大丈夫です。
ただ、千鶴は覚悟よりも恋心を先に自覚した恋する乙女で、
土方はデレ方となりやすい、と知って頂ければ大丈夫だと思います。

 

 

本文サンプル

 

「千鶴ちゃんに子供が出来た所為じゃない?」

そう沖田から断言された斉藤は、想定外な話の展開故にただ驚いた。

そして、沖田は自身の断言が名言であるかのようにただ繰り返した。

「だから、土方さんとの子供が出来た事を千鶴ちゃんが言えない所為だよ」

「……副長が子供を嫌いだという事と、それを聞いて千鶴が落ち込んだ事と、どの様な関係があるというのだ?」

「ふーん。一君は千鶴ちゃん並みに、色恋沙汰には鈍すぎるんだね」

という沖田は斉藤への気遣いと思える生温かい視線を向けた。

否、その視線の意味は的確に理解した斉藤は無言で沖田を睨み返した。

その様な斉藤の無言の殺気さえも楽しげに受け流す沖田の意見に原田と平助が同意した。

「確かに斉藤も鈍いよな、色恋沙汰に関しては」

「それに、千鶴も気遣いは得意だけど、色恋沙汰には鈍すぎるよな」

「まあ、これだけの色男達に囲まれているのに、土方さんだけが『男』だと思ってる千鶴ちゃんは珍しいぜ」

そう永倉が原田や平助と共に会話へ加わると、何故か沖田は殺気を込めた笑みを見せた。

その笑みの理由がわからない原田と平助と永倉はただその理由を問うた。

「……な、なんでそんなに殺気立ってるんだよ、総司?」

「土方さんと千鶴の慶事なんだ、皆で祝っても問題ないだろ?」

「それに、千鶴ちゃんが男装を出来なくなるなら、幹部達での話し合いも必要だろ?」

という三馬鹿の名に合う意見を聞かされた沖田は更に殺気立ち、斉藤はただ否定をした。

「しかし、副長がこの様な事態を招く事をしているとは思えん」

「じゃあ、千鶴ちゃんが落ち込んだ理由が他にあるっていうの?」

「どうしたんだい、そんな喧嘩腰になって」

そう問い掛けてきた井上は、殺気が増している沖田に牽制もした。

そして、井上と共に場に入ってきた近藤がその意見に同意をした。

「そうだな、源さんの言う通りだ。幹部が率先して喧嘩をするのは良くないぞ」

「……僕は一君の話に応じただけで、三馬鹿な人達が喧嘩腰で割り込んできただけですよ」

という沖田は、近藤の意見に抵抗も否定もせず、ただ、子供の言い訳の様な言葉を返した。

そして、その様な沖田の言動に慣れている、否、冷静になった斉藤が話を元に戻した。

「ありえん結論と、副長と千鶴への邪推をはじめたのは、あんただろう」

「邪推とは穏やかじゃないな?」

「僕は一君の話から、土方さんと千鶴ちゃんに子供が出来たって思っただけですよ」

そう沖田は穏やかに問い掛けてきた近藤に対し、子供の様な無垢といえる視線と共に応えた。

その様な沖田の言動に対し、斉藤は疑心を、平助と原田と永倉は無言を、近藤はただ驚いた。

そして、沖田の言動に一番冷静な対応が出来た井上は驚きながらも微笑んだ。

「おやおや、それは祝うべきかを迷うところだね」

「やっぱり、土方さんが千鶴ちゃんに手を出してるっていうのは……」

といった沖田は、斉藤以外が否定しない事を理由に、断言を肯定として、土方への更なる揶揄も言葉にしようとした。

だが、それを察した斉藤は、あくまでも沖田の断言と土方への揶揄を否定した。

「それが邪推だと言っている!」

「……つまり、トシと雪村君に子供が出来たというのか?」

「局長、それは……」

そう斉藤が近藤の問いに答えようとしたが、その制止も聞かずに沖田の断言を信じた。

「俺がトシに説教をしてくる!」

と宣言をした近藤に対し、沖田は微笑み、斉藤は頭を抱えた。

また、平助と原田と永倉は推移を楽しそうに見守り、井上はただ苦笑った。

そして、その様な反応に気付かない、否、頭に血が上っている近藤はただ持論を叫んだ。

「雪村君との間に子が出来ていながら、子供が嫌いなどというのはけしからん!」