ラヴコレ2018秋の新刊サンプル(薄桜鬼)

参加サークル名:焔の翼(さ22)

薄桜鬼の新刊「鬼副長と恋模様」(ひじちづ)
A5/コピー/20P/200円(成人向け)

 

 

仕事をし過ぎる土方を休ませる為、近藤が恋仲の千鶴に逢引を願うように頼むと……
「恋する副長と天然男装乙女」と同じ屯所時代を捏造した設定となっています。

本文のサンプル(抜粋)

 

「僕の楽しみを奪う気かな、千鶴ちゃん?」

そう千鶴に告げる沖田は笑みを浮かべていたが、あきらかに好意的ではない意図しか感じられない笑顔だった。

故に、千鶴は沖田にからかわれると思いながらも、律儀な問い返しをした。

「……楽しみ、ですか?」

「うん。土方さんで遊ぶんだよね?」

と沖田に告げられた千鶴は、笑顔の意味と言葉の裏にある思いを察した。

そして、悪意も隠す気が無い沖田は千鶴に気付かれていると察して上機嫌となった。

だが、沖田に気付かれている事を誰にも気づかれたくないと思っていた千鶴は再び問い返した。

「……気付かれているんですか?」

「そうだねぇ……一君も気付いていると思うよ。でも、土方さんは色惚けで鈍感になったから気付いていないかもね?」

そう沖田が告げると、千鶴は隠し事に気付かれた事よりも、隠したいと思った想いも見抜かれたが故に、真っ赤な表情で絶句した

。その様な千鶴の反応も予測済みだった沖田は、再び意図が読めない笑みをみせた。

「朱に交われば赤くなる、って言うけど、千鶴ちゃんと恋仲になった土方さんは、本当に色々な意味で楽しいよね」

「わ、私と土方さんが『恋仲』ですか?」

「……なら、土方さんが玩ばれてるの?」

という沖田の確認、否、からかいに対し、千鶴は耳まで紅い表情のままでも律儀に答えた。

「私はお慕いしていますが……」

「ふーん、じゃあ、もしかして、土方さんに手も出されてないの?」

「……」

「手は出されても恋仲じゃないなんて、土方さんってば……」

そう沖田は千鶴の無反応から推測した、否、邪推でも更にからかおうとしたが、それを一刀両断するように斉藤が口を挟んだ。

「いいかげんにしておけ、総司」

「はじめから聞いていたよね、一君?」

と沖田は斉藤に確認したが、斉藤は沖田の問いに答えなかった。

故に、沖田の上機嫌は変わらず、千鶴の表情は耳まで紅く、斉藤は冷静沈着だった。

「聞かれて困るのは千鶴ちゃんで、僕じゃないから良いけど?」

そういう沖田の言動と斉藤の様子から、千鶴は隠していた事に気付かれたとも察した。

故に、それを確認しようとした千鶴は、あえて直球で沖田と斉藤に問い掛けた。

「本当に気付かれているんですか?」

「うん。土方さんに感謝の贈り物なんて、千鶴ちゃん以外には思いもつかない事だよね」

「……副長も喜ばれると思うから、隠す理由はないと思うが?」

という沖田と斉藤の答えは、隠そうとしていた事を全て見抜かれていると理解した千鶴は再び絶句した。

その様な千鶴をからかうべく口撃を続けようとした沖田を斉藤は無言で制した。

その様な三者三様の思惑と無言の意図が交わされる中、通りかかった土方が声をかけた。

「何をしている?」